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ミドリムシ?いいえ、ゾウリムシです ミドリゾウリムシ Paramecium bursaria [繊毛虫]

ミドリゾウリムシ.jpg
ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria)です。
緑色をしていますが、クロレラ様藻類(Chlorella-like algae)を共生しているゾウリムシ(paramecia)なので、
ミドリムシさんとは縁もゆかりも無い?生き物です。

さて、光合成をする藻類を体の中に取り込むと太陽から栄養が作られる事になり、
すばらしいと思えるかもしれませんが、そう単純ではありません。

それは、光合成をすると酸素が作られますが、その酸素が細胞を破壊する毒として働くのです。
この、ミドリゾウリムシはその毒に耐えられるように進化した力強いゾウリムシといえるのでした。
(酸化ストレスに対する耐性をもっているということ)

そのうち「ミドリゾウリムシの抗酸化物質入り」っていうサプリとかが薬屋さんから発売されるのでしょう。

その一方、クロレラの側もゾウリムシの消化作用から逃れる術を獲得した力強いクロレラです。
(ホストリソソーム:lysosomeに対する耐性をもっているということ)

さらに面白いことに、Microbiology Monographs Volume 12, 2009, pp 31-55.によると、
この二種の生物は、一緒にも生きていけるし、ばらばらでも生存し増殖も可能ということです。
かといって別々に生きていくのではなく、近くにいると再び共生を始めるのだそうです。

ミドリムシのように葉緑素をもつ部位を部品として持っているのではなく、
独立した生き物として抱え持つ、包容力の大きなゾウリムシと、それに応えたクロレラのお話でした。

補足です、Advances in Microbiology, 2012, 2, 227-233によると、
共生できるクロレラは1種類ではなく、多種類あってさらに同時に共生できるらしいです。

うーん、やっぱり生命って、不思議がいっぱいです。

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