実体顕微鏡 [ミジンコ]
たまには横道にそれて、顕微鏡そのものの話題でも。
さて、いつもどおりのミジンコなどの観察ですが、シャーレに水を入れ、実体顕微鏡で対象を見つけます。
見つけたらスポイトでスーッとすって、スライドグラスに移し観察をしています。
その実体顕微鏡なのですが、意外と綺麗に見えるので、カメラを取り付けて撮ってみると。
な感じです。
一見して解ると思いますが、なんかポヤーってしてますよね。ぶれたのか?解像度不足?
もっと綺麗に見えているんだけどなぁ?。
「なーんでかぁ?それは実体顕微鏡が安物だったから」
だけでなく(堺さんぽく?)、
顕微鏡の分解能は対物レンズの開口数に反比例します。
分解能=(0.61×550nm)÷開口数、という式がありまして、
生物顕微鏡の対物レンズ4倍でよく使うのは開口数0.1ですので、分解能は3355nmです。
1 nm = 0.001 µmなので、約3ミクロンまで見分けられるということですかね。
いい対物レンズは0.2とかですので、さらに倍、細かく見える計算です。
さらに、開口数 = 屈折率×sinθ、という式もありまして、
θ=arctan(レンズの半径÷焦点距離)、から
開口数=屈折率×sin(arctan(レンズの半径÷焦点距離))となり、
開口数はレンズの大きさと屈折率が同じなら、焦点距離が長いほど少なくなります。
「単純に屈折率1、半径10mm、焦点距離10mm、とすると、
arctan(1)=45°なので、開口数=1×sin(45°)=0.707。
焦点距離だけ2倍の、20mmにすると、
arctan(0.5)=26.565°なので、開口数=1×sin(26.565°)=0.447で、
距離によって角度が違うので一様ではありませんが、この例の場合、
焦点距離が2倍になると1.58倍も、分解能が低下することとなります。
(今更ながら数学って大事だなぁとおもいます)」
すなわち、実体顕微鏡は生物顕微鏡より格段に長い焦点距離ですので、
同じ倍率でも、開口数も少なくなり、分解能が落ちるという計算になります。
高屈折率で大きな対物レンズ(最近のはすごくでかいですよね)を使用すれば、
開口数が大きくなり、よく見えるよって・・・その分お値段もお高いです・・・
なので上の計算はごくふつうの実体顕微鏡でのお話でした。
(全部お読み頂いた方ありがとうございます)
さてさて、今日の被写体、オオケンミジンコ(Macrocyclops)さんです。
背中の写真を、普通の顕微鏡で撮影するとこんな感じで、
腹部は、こんな感じです。
若干ぽやっとしているのは呼吸により微妙にずれている写真を深度合成したことによるもので、
被写界深度の点からいくと、実体顕微鏡の方が上ですね。
今日初めの実体顕微鏡の写真は触角、体共に焦点が合うのですが、
普通の顕微鏡では必ずどちらかがぼやけてしまいます。
開口絞りを絞るとピントの合う範囲は広がるのですが(開口数を見かけ上少なくしている)、
今度は解像度が落ちてしまいます。
そんなとき、よく見えていると思っても、いざ写真に撮るとポヤーンとしてしまいます。
人間の目は前後によく見えていると解像度が高いと感じてしまうのでしょうね。
よく見えないときに眼を細めません?
あれって開口数を下げてピントの合う範囲を増やしているんですよねって、それって老眼?
最後に第五脚のクローズアップです。
さて、いつもどおりのミジンコなどの観察ですが、シャーレに水を入れ、実体顕微鏡で対象を見つけます。
見つけたらスポイトでスーッとすって、スライドグラスに移し観察をしています。
その実体顕微鏡なのですが、意外と綺麗に見えるので、カメラを取り付けて撮ってみると。
な感じです。
一見して解ると思いますが、なんかポヤーってしてますよね。ぶれたのか?解像度不足?
もっと綺麗に見えているんだけどなぁ?。
「なーんでかぁ?それは実体顕微鏡が安物だったから」
だけでなく(堺さんぽく?)、
顕微鏡の分解能は対物レンズの開口数に反比例します。
分解能=(0.61×550nm)÷開口数、という式がありまして、
生物顕微鏡の対物レンズ4倍でよく使うのは開口数0.1ですので、分解能は3355nmです。
1 nm = 0.001 µmなので、約3ミクロンまで見分けられるということですかね。
いい対物レンズは0.2とかですので、さらに倍、細かく見える計算です。
さらに、開口数 = 屈折率×sinθ、という式もありまして、
θ=arctan(レンズの半径÷焦点距離)、から
開口数=屈折率×sin(arctan(レンズの半径÷焦点距離))となり、
開口数はレンズの大きさと屈折率が同じなら、焦点距離が長いほど少なくなります。
「単純に屈折率1、半径10mm、焦点距離10mm、とすると、
arctan(1)=45°なので、開口数=1×sin(45°)=0.707。
焦点距離だけ2倍の、20mmにすると、
arctan(0.5)=26.565°なので、開口数=1×sin(26.565°)=0.447で、
距離によって角度が違うので一様ではありませんが、この例の場合、
焦点距離が2倍になると1.58倍も、分解能が低下することとなります。
(今更ながら数学って大事だなぁとおもいます)」
すなわち、実体顕微鏡は生物顕微鏡より格段に長い焦点距離ですので、
同じ倍率でも、開口数も少なくなり、分解能が落ちるという計算になります。
高屈折率で大きな対物レンズ(最近のはすごくでかいですよね)を使用すれば、
開口数が大きくなり、よく見えるよって・・・その分お値段もお高いです・・・
なので上の計算はごくふつうの実体顕微鏡でのお話でした。
(全部お読み頂いた方ありがとうございます)
さてさて、今日の被写体、オオケンミジンコ(Macrocyclops)さんです。
背中の写真を、普通の顕微鏡で撮影するとこんな感じで、
腹部は、こんな感じです。
若干ぽやっとしているのは呼吸により微妙にずれている写真を深度合成したことによるもので、
被写界深度の点からいくと、実体顕微鏡の方が上ですね。
今日初めの実体顕微鏡の写真は触角、体共に焦点が合うのですが、
普通の顕微鏡では必ずどちらかがぼやけてしまいます。
開口絞りを絞るとピントの合う範囲は広がるのですが(開口数を見かけ上少なくしている)、
今度は解像度が落ちてしまいます。
そんなとき、よく見えていると思っても、いざ写真に撮るとポヤーンとしてしまいます。
人間の目は前後によく見えていると解像度が高いと感じてしまうのでしょうね。
よく見えないときに眼を細めません?
あれって開口数を下げてピントの合う範囲を増やしているんですよねって、それって老眼?
最後に第五脚のクローズアップです。
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