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偏西風はずーっとふいています [エクスカバータ(ユーグレナ以外)]

別に風のお話ではないのですが、偏性と通性のお話です。

今日は、偏性寄生性生物(寄生しないと生きていけない生物)のお話です。
対して、通性とは、しなくても何とかOKということです。

まえに、なぜ寄生虫は寄生するのかといったことを少しお話いたしましたが、
原虫(鞭毛虫)の仲間に限っては、
寄生せざるを得ない(寄生しないと生きていけない)といった方たちがおられます。
(線虫にもそういったことがあるのかもしれませんね)

細胞の膜を形成する物質は、リン脂質(二重層ですね)という生命にはなくてはならないものです。

前出のトリコモナスさんは、
その脂質を合成できないために外部から吸収しないといけません。
大方の場合、寄生した他の生物の体の細胞を溶かして(おもに赤血球だそうですので溶血ですね)、
その物質を頂戴するわけです。

ところが、ジアルジアさんはというと部分的に脂質を合成できるらしいのです。
以前は全く出来ないと考えられていたのですが、通常の生物とは違った形で合成可能とのことです。
Parasitology. 2011 March ; 138(3): 267–278.によります。

さて、いずれにしても部分的にしか合成できないために、
生きるためには寄生せざるを得ないという状況なのでした。
うーん、なんというサガなのでしょうか・・・

合成経路を示すと、下図のようになるでしょうか。
脂質の合成.png
チンプンカンプンの名称が出てきますが、要は赤の部分がネックとなっているようです。

Plasmodium、Toxoplasma、Leishmania、Trypanosoma、Giardiaなどの原虫についてで、
Prog Lipid Res. 2013 October ; 52(4): からのお話でした。

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