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最後はニスでピッカピカ [緑藻]

今日はwartsとrosettsを配置している、sporopolleninic layerについてのお話です。

植物細胞の表面の模式図です。
細胞壁の構造3.png
細胞壁(cell wall)のお話は以前しましたので、今日は最外層のcuticleについてみてみましょう。

このキューティクル(cuticle)は髪で有名ですね、まあ植物にもあるということで・・・用語は難しいですね。

さて、これは脂肪酸のポリマーからなる物質の構造体で、cutin, suberin, sporopolleninが知られています。
一番詳しく調べられているのはcutinで、これはトマトやその他の植物の、
ツルツルとした感触として知られる部分でしょうか。(表層はワックスで守られるのでそれもありますが)

機能としては、乾燥や病原からのバリアーを担っているとのことです。

成分は、ギターなどの楽器で使われるセラックニス(shellac varnish)にも含まれる物質からなるとのことです。
セラックはカイガラムシらしいですが、木の表面にも存在しているのですね。

このcutinの構成成分の一つである、Aleuritic酸には自己集合(self-assembly)する機能があり、
かってにアモルファスあるいは二重層を形成するとのことです。

なんとも、便利な物質を利用しているのですね。

Trends Plant Sci. 2008 May;13(5):236-46.にcutinとsuberinのお話が、
Phys. Chem. Chem. Phys., 2010,12, 10423-10428.に自己集合のお話がありました。

今日も、よい一日を。

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コメント 2

desidesi

セラックニス塗装のギターは高級品ですね〜♪ (๑◔‿◔๑)
カイガラムシだったのか・・・。
by desidesi (2015-06-04 13:34) 

dumbo

desidesiさま、ナイス、コメント、ありがとうございます。
セラックニスはアルコールで除去できる、
素晴らしい塗装ですね。
やはり、生き物って最高です。
by dumbo (2015-06-07 11:41) 

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