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ゾウリムシ 繊毛は細かく見ると・・・ [繊毛虫]

いつもはアップですが、今日は実体顕微鏡像で遠くからです。

結構素早いですね。

いままで、色々と繊毛、鞭毛?のお話を致しましたが、どうして動くのか?
不思議でならなかったのです。

教科書では、
「真核生物の鞭毛は、繊毛と同一構造の「9+2」の微小管からなり、ダイニンによって駆動する・・・」
とあります。

しかし実際の所なぜきれいな鞭打ちを行えるのでしょう?
以前のスロー画像を思い出して下さい。

また、この繊毛のメタクローナル波(metachronal wave)を生み出す協調した動きは、どこから?


まず、繊毛はある角度を持って順番に並んでいるとお話しました。


きれいな鞭打ちは中心の2本の微小管の向きとは無関係?そうです。
二本並んでいるので、単純に考えるとその固さで二本の並びとは直角に打ちそうなものですね。



そこがずーと引っかかっていたのです。
いろいろ、探していると面白い報告がありました。

顕微鏡 Vol.45 No.1(2010)46-50からです。
かんたんに図示しますと、
繊毛.png
赤い線のようなリンカーと呼ばれる構造が微小管間にあり、
その部分の動きを阻害しているのです。

面白い事にクラミドモナスさんでは、中心の2本の微小管と平行方向に動くのですね。
ぶつかったら曲がるとお話しましたね)

さらにダイニン(微小管から出ている突起)と呼ばれる動きの源ですが、
その配置も繊毛基部と先端に従って種類が違っているのです。

繊毛が曲がっているとか、
(PNASJune 8, 2010 vol. 107 no. 23 10490–10495からです。)

ダイニンの動きの協調性(動きが繊毛上を周期をもって伝わる)、
(日本物理学会誌 Vol.48 No.12 1993 949-957からです。)

など、色々な要因が絡みあって、きれいな繊毛の、有効打、回復打の繰り返しが起こっているのです。

なんと不思議なことでしょう。

残念ながらメタクローナル波の伝わっていく仕組みの報告は見つけられませんでしたが、
わかり次第お話いたしましょう。

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