柔らかい瓦 [ユーグレナ]
ミドリムシのペリクルが独創的なので加筆しておきましょう。
南京玉すだれの様ですとお話しましたが、実際の形状は、細長い瓦を組み合わせた感じになっています。
それぞれの膜は微細な繊維でつながっていて(あるいは乗っかっていて)、その様子は玉すだれの様ではあります。
そのペリクルストリップ膜は1枚の板から出来ており、ミドリムシの頭から尾っぽまで続いています。
先端部分で束ねられるのですが、実際には中央のふくらみを増すために、途中から膜の枚数が多くなっていたりします。
その多くなり方が種によって異なっていて、指紋のように種の同定にも役立っています。
さてこの瓦は柔軟性を持っていて、ちょうど上図のように四角からひし形へのような感じで変形していくと考えられています。
(この柔軟性が、前回のIP39の構造によるのではないかとの報告でした)
これにより複雑なユーグレナ運動を可能にしています。
運動の動力は何がしかの機構が働いているようですが、まだ不明の点が多いようです。
ユーグレナ運動については、Jpn. J. Protozool. Vol. 37, No. 2. (2004)169-190が詳しいですね。
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