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スーパーファミリー 免疫グロブリン Igドメイン Igフォールド [アレルギー・花粉症・免疫]

買い物に行っている家族連れではなく、生命のお話です。
進化とも絡んで、DNA~蛋白、の次の段階でしょうか?もっと進んでしまってからのお話ですが。


というのも、ここ数日?数か月?ずっと考えているのですが、頭がパンクしそうなので、OUTPUTです。
ですから、dumboのメモですので、ご興味の無い方には申し訳御座いません。
また本筋のみの記載ですので容赦を。

スジがずれているとお気付きの方が居られましたら、コメント下さい。
全てにおいて勉強ですので、ねっ。助かりますので。

(その都度考えると最初の考えがどこか え~ 行ってしまって~え~ なもので、ブログ:日記はメモには最適ですね。)


【免疫グロブリンドメイン】Immunoglobulin domain

免疫グロブリンは言わずもがなの「Y」字型の飛び道具です。中には5角形の手裏剣型のものまであるのでほんとに武器ですね。

構成しているものはアミノ酸からなるたんぱく質です。
教科書的には、長い鎖2本と短い鎖2本からなるという事で今更ご説明の必要は無いかと思います。

さて、たんぱく質の構造は1次~4次構造というカテゴリー?があり、
一次構造はアミノ酸配列、
二次構造は(水素結合からなる)小立体構造、
三次構造はその小構造を束ねるような(多くはジスルフィド結合)による三次元構造、
四次構造は三次構造の集合体で機能的な分子?
という感じに分けられます。

免疫グロブリンには特徴的な三次構造があり、
1つ(ないし2つ?)のジスルフィド結合をもった5つのβストランド( β-strand:シート状に結合しやすいアミノ酸の直鎖状構造)、
からなる逆平行βシート(Antiparallel β-sheet:直鎖構造が平面?状に並んだ構造で、逆平行とは直鎖が交互に走行するもの) が、
2つのβストランドによって挟み込まれた構造 → 最初と最後のβストランドが密着(水素結合?)しています。
免疫構造たんぱく質_1.jpg
図示すると(SHの位置は?です)上図な感じで、一次構造をぐいっとねじった、というとわかりやすそうです。
三次構造の主体がs-sのジスルフィド結合とすると、折りたたんでから結合するのでしょう。
ですので、真ん中の図の順番は間違っているかもしれませんね?

略図としては右下の線画で表す例がよく見られるでしょうか。

これがIgドメイン(Immunoglobulin domain)と呼ばれる、
免疫グロブリンを構成する構造の単位(免疫グロブリンフォールド:Immunoglobulin fold)です。
(ドメインとはその領域で、その形がフォールド:折りたたみ、ということ?この場合は同じ感じですね)
3D画像は
IgGdomonan.jpg
Prabakaran, P.,Vu, B.K.,Gan, J.,Feng, Y.,Dimitrov, D.S.,Ji, X. Structure of an isolated unglycosylated antibody C(H)2 domain. Acta Crystallogr.,Sect.D, 64:1062-1067, 2008
上のくるくるした部分はαヘリックス(Alpha helix)と呼ばれるこれまた二次構造です。


さて、これからがメインのお話で、


この構造単位を使って一番一般的な免疫グロブリンであるIgGを図示すると。
免疫グロブリン.jpg
となって簡単な様式となるのですね。
ちなみに色々な病原体などに付着する部分はC末端がわ(図の上で、左右のYの上端部分)です。
3D画像は
免疫グロブリン__.jpg
Harris, L.J.,Larson, S.B.,Hasel, K.W.,McPherson, A. Refined structure of an intact IgG2a monoclonal antibody. Biochemistry, 36:1581-1597, 1997
長いほうが16nm(0.016μm)?、短い鎖が8nm(0.008μm)?で、観察するにはクライオ電子顕微鏡が必要な世界でしょう。


さてさて、この免疫グロブリンを構成するIgドメイン(≒Igフォールド)を使用すると色々なものが図示出来ます。


【免疫グロブリンスーパーファミリー】 Immunoglobulin superfamily: IgSF
Igドメイン=免疫グロブリンを構成するものに類似した三次構造単位、
をもつものを集めた四次構造のグループ、と理解しましたがいかがでしょう。


MHC-1・・など
MHC.jpg
主要組織適合複合体(MHC)です。
こちらでちょこっとお話しました。
MHC-1の3D構造は、
MHC1__.jpg
Madden, D.R.,Gorga, J.C.,Strominger, J.L.,Wiley, D.C. The three-dimensional structure of HLA-B27 at 2.1 A resolution suggests a general mechanism for tight peptide binding to MHC. Cell(Cambridge,Mass.), 70:1035-1048, 1992


TCR (T cell receptor) 、CD4(Cluster of differentiation 4)、CD8など
TCR.jpg
T細胞受容体(TCR)、Treg:ヘルパーTcellがもつCD4、キラーTcellがもつCD8です。
これらは、抗原のやりとりで上のMHCと結合します。
受け手と、渡し手が同じ構成要素を持つというのはなんとも不思議ですね。
かぎとかぎ穴が同じ鍵なんて見たことありますでしょうか?
TCRの3D構造は
TCR__.jpg
Garcia, K.C.,Degano, M.,Stanfield, R.L.,Brunmark, A.,Jackson, M.R.,Peterson, P.A.,Teyton, L.,Wilson, I.A. An alphabeta T cell receptor structure at 2.5 A and its orientation in the TCR-MHC complex. Science, 274:209-219, 1996

これらは(決して新しくはありませんが)ほんの一部で毎日色々な所でこれらのお仲間が見つかっているのでした。
(Sが無かったり、色が違うのは構造の違いを表すためでdumboの妄想です、
あまり深く考えると眠れなくなりますので・・・)


IgGが最初というわけではないでしょうが、ここでも生物の物質進化の過程が見られるのです。

一見して、IgGの上、左右4個の三次構造が、MICやTCRに思えるのは・・・
IgGが後からって感じですよね。どうなのかなぁ?


簡単にいうと、使いまわしということですが、ほんと生き物って凄いですよね。
マイクロマシンと痛感されますがいかがでしょうか?


あっ、これはメモでしたね。笑


参考文献は色々で、進化の過程を探るものでは、
環境と経営 第24巻 第2号 2018 101~106、が日本語でありました。


3D構造のリンク先の著作権は、CC 表示 4.0 国際 著作権者「日本蛋白質構造データバンク (PDBj)」様でしょうか?
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花粉 眼が痒い日が続きます。 2019 [アレルギー・花粉症・免疫]

毎年ご紹介していますので今年もお知らせ?ですね。

昨年同様、神奈川県自然環境保全センター様のデーターからです。
データの表示法が新しくなり見やすくなりましたので、ぜひご覧頂ければと思います。
(本当に素晴らしいお仕事ありがとうございます)


一応、例年通りdumboも図示しておきます。
花粉2019スギ.png
スギ花粉は出足が遅いのか、若干少ないというところでしょうか?
ひょっとするともう終息かもしれませんので、だとしたらありがたいですね。

花粉2019ヒノキ.png
今のところヒノキは少ないですね。


最新データーはこちらをご覧ください。

赤目のdumboが続いています。
(お薬などについてはこちらに総説しておりますのでよろしければどうぞ)

毎年になりますが、神奈川県自然環境保全センター様ありがとうございます。
タグ:花粉
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今年の花粉は 2018 [アレルギー・花粉症・免疫]

去年より早く1月初めから花粉を感じているdumboです。
(今年は、1月1日でもスギ花粉が飛散しているようです)

さて、今年の花粉は結構多いようで悩ましい季節が始まります。
昨年同様、神奈川県自然環境保全センター様のデーターからです。

2018スギ花粉.jpg
こんな感じです。
去年はかなり少なかったのですね。
(アレルギーなので量はあまり関係なさそうですが、それでも症状は出ていました・・・ね)

最新データーはこちらをご覧ください。

また赤目のdumboになりそうです。

毎年になりますが、神奈川県自然環境保全センター様ありがとうございます。
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今年の花粉は??? 2017 [アレルギー・花粉症・免疫]

ちょっともの作りで息詰?(行き詰?)まっているので、今日は違う話題です。

早いものでまた花粉の季節です。
ですがっ、アレルギーが一杯のdumboはすでに1カ月以上前から発症しているのでした。
以前もお話しましたが、おそらくハンノキでしょうか?
ロゴ赤目.png


今年の花粉は日本気象協会によると、多くの地域で前シーズンよりも非常に多いとのことです。
2/14追加)読み直してみたら、dumboのいる関東甲信地方では少なめとのことでした。

で実際はどうなのか、頼りにしている、神奈川県自然環境保全センターの発表では、
スギ雄花の着花量ヒノキ雄花の着花量について、前年を下回るとのことです。
(素晴らしいお仕事ありがとうございます。)

気候と実際の花粉は一致しないのかもしれませんね???
2/14追加)関東甲信地方では一致しているみたいです。

前回同様、今までの飛散データーをグラフ化したものを作図しました。
花粉2017.png
こんな感じです。
(元のデータは神奈川県自然環境保全センター様です。掲載のご承諾、ありがとうございます。)


また花粉とのなが~い戦い?が続きそうです。


追加)こちらに花粉発生源対策についての取組が報告されています。
これによると、今までに477.17億個の花粉が減少していると推計されています。
以前のお話と一緒に見て頂くと良いかもしれません。
タグ:花粉

最後はやっぱり花粉の量です 2015 [アレルギー・花粉症・免疫]

いろいろ書いてきましたが、結局、最終的には抗原の量で、いつまで続くかということに落ち着きますかね。

指標はいろいろあるでしょうが、関東地方は丹沢でしょうか?
(毎年、症状に一番近いですね)
以下は、神奈川県自然環境保全センターの2012年~のものです。
スギ花粉グラフ.jpg
スギは収束してますかね。

ヒノキ花粉グラフ.jpg
ヒノキはもう少し続きそうです。
(元のデータは神奈川県自然環境保全センター様です。ご承諾ありがとうございました。)

ハンノキはスギと同じくらい、シラカンバはヒノキと同じくらいに収束しますので大体上の表どおりになりますね。

赤い目はもう少し続きそうです。
(あと一月の辛抱ですかぁ~ねっ)


2017/2/3追記)更新データを、こちらに記載しております。

さて、さて? [アレルギー・花粉症・免疫]

酪酸は直接接種することは出来ませんので、

「ノルマル酪酸のウサギLD50値は530 mg/kg bw(安全衛生情報センターによる)といわれ、
皮膚毒性、粘膜毒性も強いのです。そして、とても臭くて無理・・・
そして、文献で使用されたものは、酪酸化でんぷんで酪酸そのものではありませんし。
なので直接接種できないわけですね。」

手軽に入手できる酪酸を含むもの、あるいは、クロストリジウムを探してみましょう。

一番有名なのは、酪酸菌(Clostridium butyricum)で、そのものですね。
製剤としては宮入菌、ビオスリーとしてご存知の方がおられると思います。
これは、乳酸菌と一緒にいると増殖力が増加することが知られていますので、
乳酸菌を接種して花粉症がよくなるのはそのせいかもしれません。???
面白いことに乳酸菌、宮入菌はその他のクロストリジウムを抑制するといわれています。

(以下はあくまで、個人的な感想ですがとお断りしておきます。 上を試したことがあるのですが、あまり効果が無かった気がするのですね。 とくに、乳酸菌は、胃腸を整えるといわれていますが、実際のところ、 腸内を酸性にして他の菌が増殖するのを抑えるという作用のため、 酸性にすることによってかえって下痢を起こしたりします。 乳製品だからという方がいたのですが、牛乳を飲んでも下痢はしませんしね。 そもそも、乳糖不耐症と乳酸菌は別物ですし:かえって乳酸菌が乳糖を減少させる。 あくまでも・・・個人的な・・・ですが さらに酪酸菌が産生する酪酸そのものが蠕動を促進し下痢を引き起します。 ある意味毒ですので当然ですね。 そもそも、「腸内常在細菌叢のバランスを改善」というのがよくわからないのです。 この場合の正常とは何なのでしょうか? 腸内を乳酸菌だらけにすることがバランスがいいとは思えないのです。 乳酸菌を飲んだ後、便を染色するとわかるのですが、1種の菌で埋め尽くされます。 すみません理屈っぽくて・・・ そのせいで今の状態といわれたらそれまでですがねっ。 製剤そのものの効果を否定しているわけではなく、 実際よくなっている方もおられるようですので、 少なくとも私にはこれ等の菌は合っていないようです。 「これを飲めばばっちり」と話が聞かれないことからも、個人差が大きいのでしょう。 しかし、人によっては効果があるかもしれませんので、試す価値はあるかと思います。 あくまで自己責任でということですけれど=花粉症のお薬ではありません。)

他に、文献にあった、Clostridium leptum、Clostridium coccoides(Blautia coccoides)で探してみると、
残念ながら、直接含むものは見つけられませんでした。(気づき次第修正しますか)

さて、直接ではありませんが、
納豆菌(Bacillus subtilis)がClostridium leptumを増加させるという報告がありました。
(これは特許JP 2013-147469です)
納豆は大豆ですが、今のところイガイガ感が無いのでいけそうですね。
タンパクが変性しているのでしょうか?
特許といっても製剤に対してで、納豆に対してではありませんので、効能を謳わなければOKでしょう?

逆にClostridiumを減少させるものに、カシューナッツ殻油がありました。
(これは特許JP2009/070829で、主に病原性のクロストリジウムに対してですがね)
この製油に含まれる、アナカルド酸(実に55~80質量%)には抗コクシジウム効果もあるようです。
家畜飼料の0.001質量%以上で効果があるとのことですので、
かなり微量でも殺Clostridium効果があるようです。
ちなみに、カシュー樹脂塗料(フェノール脂質の一種)の原材料です。
さらに、ギンコール酸(イチョウの葉に含まれる)によく似ているとのことです。

酪酸を多く含む食品では。
バター、チーズなどの乳製品。GABA(アミノ酸付きですが)などがありました。

ところで、報告されている非病原性のクロストリジウムは消化管内ですので、
口腔内、あるいは気道内にはいないのか調べたのですが、
細菌叢(マイクロバイオーム:microbiome)の研究は始まったばかりで、まだこの辺は時期尚早のようです。

アレ、アレレ [アレルギー・花粉症・免疫]

ついでですので、アレルギーについて調べてみました。

予備知識として、免疫を担当するT細胞についてからです。
T細胞の分化.png
免疫をつかさどる司令官としてT細胞(Tリンパ球)が知られています。
Tリンパ球はその名のとおり胸腺(T:thymus)で、幼若なT細胞から胸腺内でDN~SPへと分化します。

その際、遺伝子の再編が行われ、いろいろな形のTCRと呼ばれる突起を生成します。
その突起が、
胸腺の皮質&髄質細胞のMHCと呼ばれる自分自身の一部を結合した、これまた突起と結合します。
この結合具合で、程よく結合するものだけが選ばれるわけです。
(TCR⇔MHC(抗原が結合)←いろいろな異物を見分ける鋳型となります)

すなわち、ここで自分に害がある結合が強いものが除かれて(負の選択という)
反対に全く結合しないものはこれまた必要が無いので省かれてしまいます(正の選択という)

さて、ここにからくりがありまして、
このほど良い結合の中でさらに、度合いが高いものが免疫を抑制する担当の細胞(Treg)になり、
度合いの弱いものが免疫を担う細胞(ナイーブT細胞:抗原刺激を受ける前の細胞)へと分化します。
ナイーブT細胞がTregへと分化することもあるようです。
結合が強いものがフィードバックをかける、うーん、なんと理にかなった原理でしょう。
(いろいろ細かい部分がありますが、本筋が重要でしょうから、この際目をつぶっておいてっと)

さて、キーワードが出揃いましたので、検索をかけてみますと。
出るわ出るわ、いやー今一番ホットなのですねぇ。

アレルギーに関連しそうなものをピックアップしましょう。

Science 21 January 2011: Vol. 331 no. 6015 pp. 337-341.によると、
腸内細菌のクロストリジウムがこのTregへの分化に関わっているということです。

さらに進んで、Nature 504, 446–450 (19 December 2013)に、
そのクロストリジウムが出す酪酸が主要な物質とのことです。
なんと、単純な物質だったことか。


さて、アレルギーの原因は、腸内細菌がいなくなったためといえるかもしれません。
(抗生物質による影響でしょうかね)、
飛躍しすぎましたかねぇ。

どなたか、Tregの数と、花粉症患者の相関関係で論文を出していただけませんかね。
(自分がやれって?、いやぁ、すでにどなたかしているでしょう、有名な論文情報ですから・・・)

3/27追加
Int Arch Allergy Immunol. 2011;156(2):187-95. という報告に、
花粉症患者のCD4 + CD25 + TregがCry j 1(スギのアレルギー抗原の一つ)に対する免疫反応を、
十分に抑制できるとの報告がありました。
うーん、奥が深いです。

続、花粉・・・ [アレルギー・花粉症・免疫]

昨日の続きで恐縮ですが、

花粉.jpg
花粉です。おそらく、ハンノキですね。

こいつは厄介で、おそらく私はこいつですね(すみません、こいつって言って)。

このアレルギーがあると、交差反応(cross reactivity)といって、
似通った物質の、アレルギーがどんどん増えていくのですね。
そして、通常はアレルギーを起こさない、低分子の物質でさえ起こすようになり・・・
その場合の物質をハプテン(hapten)というようです。
(この用語はいろいろな使われ方をしていて不適切かもしれません。
金属アレルギーにおける金属や、薬物などの狭義についてのほうが正しいのでしょうか?)

さて、ハンノキにアレルギーを起こす場合、モモ、メロン、大豆・・・などにも反応します。
通常はたべたときに、イガイガ感位ですが、
私の場合は豆乳を飲んだりするともう喉がかれるほど反応します。
ただ、どの豆乳にもではなく大丈夫なときもあったりするのでセーフと思ったりします。
(最近気づいたのですがリョクトウモヤシにも反応するときがあります。当然?増えた?)

「これは、あまりお勧めできる状態ではなく、ひどく反応する食物は避ける方が身のためのようです、
なので、まねはしないで下さい。」


口腔アレルギー症候群(Oral allergy syndrome)といわれ、
Allergy. 2015 Jan;70(1):59-66. が詳しいでしょうか。(こちらはシラカバによる報告です)

通常のタンパクとは違い、糖タンパクとよばれる物質のアレルギーらしいですね。(確認が取れませんでした)

Int Arch Allergy Immunol. 2013;161(3):258-64. によると、
りんごの品種ごとに反応が違うといった事もあるので、りんごなら林檎全てがというわけでもないわけです。

最近特に問題視されるようになり、どこのサイトにも出ていますが、かなり前から指摘されていて、
口腔過敏性症候群(Oral hypersensitivity syndrome)とかいわれていたようですね。
(今は薬剤に対してhypersensitivity syndromeの用語が使用されるようです)

実際、私も子供の頃からメロン(決していつも食べていたわけではありませんが)とか、
イガイガしていたような気がします。
山芋もだめでしたね、こちらはただのかぶれかもしれませんが。
小学生のころにずっと鼻炎で耳鼻科に行っていましたので、本当はそのころから花粉症だったのでしょう。
(花粉症という言葉すら聞かない時代でしたが・・・)

さらに、重症化するとアナフィラキシー(anaphylaxis)を起こしたりするらしいので皆さんもご注意を。
心当たりの方は早めに受診されることをお勧めいたします。
ショックを起こすと厄介(命にかかわる)だそうですので。


私の場合半ばあきらめですかね、食べるものが無くなりますので。

最近では、

パン(小麦?酵母?)、ビール(二条大麦?、酵母?)、大麦若葉の青汁などもイガイガしますしねぇ・・・

ビールで面白いのが、糖質0だとOKなので、糖タンパクも除かれているのでしょうか?
六条大麦の麦茶、小麦ではパスタはOKそうですね(デュラムセモリナなので種類違いだからですかね)。

そうそう、絶対ではありませんが、加熱するとよくなりますかね。
糖タンパクが壊れるという報告があったような???

まあ、こんなセンサー代りに楽しんで?います。

何かの参考になりましたら幸いです。


追加です。
Mol Nutr Food Res. 2014;58:625–634.に、緑豆モヤシのアレルゲンが解説されていました。
シラカンバ花粉のBet v1という抗原が、緑豆モヤシのVig r 1とVig r 6に、
そして大豆のGly m 4と交差反応を起こすようです。
この4種の抗原は、60℃で加熱し始め95℃で変性した後、室温に戻すと再度構造が元に戻り、
抗原性を示すとのことです。
なので、加熱してもだめのようですね、うーん残念。
そして、タンパク質らしいので、糖質とも関係が無いようです。さらに残念。

ここら辺のところは、https://fermi.utmb.edu/cgi-bin/SDAP/sdap_01や、
http://www.allergome.org/script/search_step1.php?clear=1、で詳しく調べられるようです。
一応表にしておきますね。

シラカンバ ハンノキ
  Bet v 1 Aln g 1
パセリ Pet c PR10?
セロリ Api g 1、Api g 5 Api g 1
ニンジン Dau c 1 Dau c 1
トマト Lyc e 4
リンゴ Mal d 1 Mal d 1
アンズ Pru ar 1、Pru av 1 Pru ar 1、Pru av 1
セイヨウナシ Pyr c 1 Pyr c 1
ヘーゼルナッツ Cor a 1
緑豆 Vig r 6
シラカンバ Bet v 1
シデ Car b 1
コナラ Que a 1
クリ Cas s 1
ヨーロッパブナ Fag s 1

これによるとハンノキに、緑豆が無いように見えますが、
見つかっていないか、本当に無いのかどうかは、うーん、わかりません。
ぬけているところ意外、左右が一緒なことから、
ハンノキとシラカンバはたぶん同じアレルギー作用なのでしょう。

花粉症も奥が深いです。

花粉・・・ [アレルギー・花粉症・免疫]

今日はわき道にそれて、

ここ数日、症状が悪化したので正体を突き止めるべくスライドグラスを数分間外に出しておいたものがこれです。
杉花粉.jpg
おスギさん(花粉)です。

小さくなることだけによってのみ飛翔し、ガガーリンよりも先に地球は青かったと気づいた?であろう、
物理法則の盲点をついて、航空機や、ロケット開発者を冷ややかに見つめている生物の一人です。

冗談はさておいて(技術者の皆様すみません)、まずどういった対策があるのでしょう。

一番の対策は、花粉に触れないことですね。
マスク、ゴーグルなど、外出しないなど万全の体制を整えれば症状は改善します。

私の場合、夏や冬の花粉が無い時期には症状が出ませんので当然といえば当然でしょう。

次は、お医者さんに行っていろいろしていただきます。
処方されるお薬は、
①坑ヒスタミン → ②坑アレルギー → ③坑ロイコトリエン (一般に順に作用が強くなります)
に加えて、点鼻、点眼薬でしょうか。
点鼻薬では④持続性ステロイドが良好な作用を示しますのでいいですかね、
注射のように全身性の副作用がほとんどありませんし。

その他に、最近は経口の減感作薬があるので、そういった処置がされるかもしれません。
うまくいけば完治?寛解しますしね。
(今のところ、杉花粉しかないので、私には無理ですが。
その他にオーダーメイドの減感作もあるようです。)


さて、お医者さんへ行かないで家で出来る対策を考えて見ましょう。
(花粉に触れないといった対策はもちろんですのでそれはおいておいてっと、
マスク一枚でも坑ロイコトリエン薬並みに効果がありますし)

簡単な薬屋さんから考察しましょうか。
これは、お医者さんへ行くのとあまり変わらない気がしなくもありませんが、花粉症の薬がいろいろありますね。

①の坑ヒスタミン薬が一番多いですね。
 d-クロルフェニラミンマレイン酸塩が有名でしょうか、これはH1受容体拮抗薬として働くようです。

②ではフェキソフェナジンが有名ですね。メキタジンや、セチリジン塩酸塩もありますかね。
 これ等はヒスタミンH1受容体拮抗薬ですが、より選択性を増して副作用を減らしたお薬です。
他にも作用があるようですが・・・

これら①、②のお薬はアレルギー作用のヒスタミンをブロックすることにより、
アレルギーを起こさないようにするお薬ですね。いわば化学的なマスクに相当します。

③のお薬は・・・
 モンテルカストが有名ですが残念ながら市販薬にはありませんね。
もともとは喘息用のお薬ですが、アレルギー性鼻炎などに(特に鼻づまり)非常に効果があるとのことです。
こちらは肥満細胞から出る、ロイコトリエンをブロックしてアレルギー症状を抑えるお薬ですね。
喘息用のお薬と使用されることからも、効果が高いのはいうまでもありませんね。

④のお薬も・・・
 残念ながら市販薬にはありません・・・いえ、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルがありました。
ステロイドはどんな炎症?に対しても効果があり、持続性としたことでより長い期間効果を発揮します。


では、薬以外のもので代用できないか探して見ますと。
『下記は自己責任でお願いいたしますね』

漢方(これもお薬?)では、小青竜湯(①②の作用が強い)、柴朴湯(③の作用が強い)といったところでしょうか。
これ等は薬局にあるものはお医者さんでもらう量の半分ですので、
病院で処方していただいた方がよく効きます。

①②の坑ヒスタミン作用の食物?では
碾茶(てんちゃ:=抹茶)、甜茶(甜葉懸鈎子:かんようけんこうし)、椿花、黒大豆などが有名ですかね。
物質名ではケルセチン(玉ねぎ)、ケンフェロール(茶、ブロッコリー)、エピカテキン(カカオ)、エピガロカテキンガレート(茶類)、ヘスペリジン(柑橘類)、グリチルリチン(甘草)、ゲニステイン(大豆)、カマズレン(カモミール)がありますね。

③の坑ロイコトリエン作用の食物?では、
ルテオリン(テトラヒドロキシフラボン:エゴマ、シソ・・・)、シネフリン(柑橘、陳皮)、上の①②の中にもたくさんあります。
またちょっと違うようですが、ω3系脂肪酸由来代謝物(レゾルビン(EPAより生成、魚)、プロテクチン(DHAより生成、魚))、グアバもロイコトリエンを減少させる働きがあるようです。
グアバは外用(点鼻)でも効果があるようですが、これは特許のようなので効能はうたえないのかも知れません。

今日は参考が多すぎるので省略いたしました。
御必要ならコメント欄にでもお気軽に連絡下さい。

では、皆さんの花粉症が少しでもよくなることを祈りつつ・・・
ロゴ赤目.png赤目のdumboがお伝えしました。

タグ:花粉
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