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食事をするミドリムシ ヘテロネマ Heteronema [ユーグレナ]

ひさびさのミドリムシ登場です。
ヘテロネマ.jpg
なんだか緑色をしてませんね、この方はヘテロネマ(Heteronema)さんです。
ミドリムシの一種ですが葉緑体を持っていないのです。
光合成できないので、栄養は他の生物を食べることによって補給します。

どうやって食べるかですが、残念ながらペリクルは外れませんので横からは食べれません。
頭部の鞭毛の生えている(flagellar pocket)部分を広げ、飲み込むように食事します。
外の栄養を必要としているからでしょうか、緑色のミドリムシの数倍の速度で動きます。
ミドリムシ運動を観察するには絶好の生物でしょう。
(Journal of Eukaryotic Microbiology 2013, 60, 107–120に食事風景がご覧いただけます。)

さて、食事をするミドリムシと光合成をするミドリムシの中間の生物がどこかにきっといるはず。

そう、ちゃんと存在していたんですね。

今日の話題のもうひとつ、ラパザビリディス(Rapaza viridis)という名のミドリムシがそれです。
このミドリムシは食物を食べることも出来るし、光合成も可能な万能生物です。
(写真は下記参考でご覧いただけます)

進化の過程を教えてくれる貴重なミドリムシで、
今いる光合成をするミドリムシはこのラパザさんから分かれたのではないかと考えられています。

ラパザビリディスのRapaza viridisという名前は、
ラテン語のrapax(つかむ)と、viridis(緑)からつけられたとのことで、おそらく一属一種のミドリムシでしょうか?
カナダのPachena Beachの潮溜りから発見されたそうです。たぶん発見者は日本の方でしょう。

BMC Evol Biol. 2012 Mar 8;12:29からのお話でした。

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コメント 4

ひろし

ご訪問・nice!ありがとうございます。
なかなか一般的でない世界を解説されていますね。
また訪問させていただきます。

by ひろし (2014-10-14 17:19) 

majyo

有機野菜や健康食品のお店にミドリムシ入荷と旗がかかっています。
このミドリムシでしょうか?
どのような効果があるのでしょう

by majyo (2014-10-14 22:26) 

dumbo

J Appl Microbiol. 2014 Sep 6. doi: 10.1111で、Euglena tubaに肝臓保護効果が、
Fish Shellfish Immunol. 2012 Jul;33(1):111-20.で、Euglena gracilisに虹鱒の免疫調整効果が、
J Vet Med Sci. 2010 Jun;72(6):755-63で、Euglena gracilisで、マウスのアトピーを軽減する効果が、
J Vet Med Sci. 2009 Jul;71(7):885-90.でEuglena gracilisで、マウスの肝臓庇護効果が、
Fish Shellfish Immunol. 2009 Jun;26(6):871-6.でEuglena viridisで稚魚の免疫応答の刺激効果が、
・・・
どれも、緑色のミドリムシのパラミロンという器官に含まれるbeta-1,3-D-glucanの作用によるものが解明されているようです。
透明のミドリムシにもパラミロンがあるものは上記の作用があるかもしれませんが、報告はありませんでした(←修正しました)。
ちなみに、βグルカンは抗癌作用等いろいろな作用があるようですので、他の、きのこ類など広範な食物にも含まれるものです。(形が異なるので効果の強弱はあるでしょうが)
ご参考になりましたでしょうか?
by dumbo (2014-10-15 10:01) 

majyo

ご丁寧にありがとうございました。
免疫効果や保護効果、抗癌効果
即効性はなくても、日々摂取すれば体によさそうですね。

by majyo (2014-10-15 18:34) 

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