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ピレノイド、何処? [緑藻]

緑藻はほぼ全員、葉緑体を持っています。
その中に「ピレノイド(pyrenoid)」という構造を持つものがいるのですが、
これが苦手で、そこにあるでしょといわれてもなかなかわからないのですね。

といって無視をすることも出来ませんので、今日はそんな構造のお話です。

ピレノイド.png
前出のクアドリグラ(Quadrigula)さんの写真を見るとこんな感じです。
(核の上の方かもしれません、うーん難しい)

しばしばstarch envelopeとよばれる、でんぷん質の殻に囲まれています。
写真では粒々?としていたり、ヨウ素液で染色すると紫色に染まるので解りやすいかもしれません。

何をしている器官なのか長いことなぞだったのですが、
ルビスコ(Rubisco)と呼ばれる酵素の凝集したものということが判明しています。

この酵素によって、
CO2が固定され、炭素が5個の物質から、炭素が3個の物質2個(=炭素6個)へと変換されていくのです。

光合成.png
お話だけではわかりづらいので、光合成反応を図示しておきましょう。

さて、ここが面白いところ?なのですが、この酵素は光を必要としません。
生物の授業で暗反応として勉強されたかたはご存知ですよね?

実際には、間接的に光によって反応が促進されるため、光がないと反応が進まないようですが、
光合成のきもといわれるCO2の固定がなんと、
光なしにおこなわれているとは、なんて不思議なのでしょうか。


こんな便利な酵素なのですが、欠点がいくつかあって、その一つが酸素とも反応してしまうということです。
そのため、多くの植物では、二酸化炭素を濃縮する行程が組み込まれています。
それを、CCM(炭素濃縮機構:CO2 concentrating mechanism)といっていて、
植物の種類によって異なった行程として知られています。
(全くない方や、有名どころではトウモロコシのC4とかご存知だと思います)

このピレノイドが、CCMに関係しているのでは?と考えられているわけです。

Journal of Experimental Botany, Vol. 64, No. 3, pp. 769–786, 2013.からのお話でした。
(報告はクラミドモナスによるものですが基本部分は同じと思われます)

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