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量=拡散-反応-分解 [昆虫]

ここ数回に渡って反応拡散方程式についてご紹介してきましたので、まとめておきましょう。

反応は、量=拡散-反応-分解、と表せるでしょうか。

どれだけ反応が進むかは、濃度の積に比例します。
A+B→C
という反応は、[A]×[B]、という速度で表されます。
(もとの物質が2倍になると4倍速ということですね。)

拡散は周囲に物質が移動した数です。
平面では、前後左右の四方向ですので、([前]+[後]+[左]+[右]-4×[元])×拡散係数、と表します。
(周りに移動した数から元の数を除くのですね。)

分解はとりあえず置いときますか。

さて、Gray-Scottモデルでは、UとVの反応を
GrayScottの式.png
のような感じに表します。
分解の項がなくて、供給と流出が加わるわけです。

ここで、FとKの係数によって反応のパターンが変化して、
GrayScott.png
のようにいろいろなパターンが生まれるわけですね。

ところで、これはGray-Scottモデルに対しての場合で、反応の形式によって変化するのはもちろんです。
なので、いろいろな場合で反応拡散方程式を解かなければならないのですね。
そうは言っても、いろいろな反応でも大体同じような模様が生まれるようです。


ここで、テントウムシさんに話を戻しまして、
地の色として拡散により斑点が形成され、それが掛け合わさって一つに合わさるといったところでしょうか?

ナミテントウ.png
反応によるある意味、自動的な模様と、遺伝が組み合わさって出来ている、複合デザインですね。
どうなのでしょう、解析が進むといいですね。

本当に、生き物って不思議です。
では、今日はこの辺で。


追加)
拡散部分をご覧になって、どこかで目にしたことがある方は通ですね。
これは、ラプラシアン(Laplacian)フィルタとして有名な、2次微分フィルターです。
画像処理で、エッジ抽出として知られていますね。

拡散係数が1の時はラプラシアンそのものです。
要するに、まわりと異なっている時に拡散していくということですね。
(まわりに自分と同じものが無いと周りに広がっていくのです)

フォトショップなどのカスタムフィルターを使用できる方は、
黒地に白い点を書いて何度もフィルターを実行していただくと(Ctrl+Fですか?)、
だんだん広がっていく様子がご覧いただけると思います。
(白黒のチェック柄が・・・これだけでも単純な柄は出来ますね)

うーん、単なる画像処理だったのです、なんと不思議なのでしょうか。ではまた。

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JUNKO

今日も興味深いお話を聞かせていただきました。
by JUNKO (2015-05-14 21:36) 

dumbo

JUNKOさま、ナイス、コメントありがとうございます。
なんか照れくさいですが、すみません。
これは私の知恵ではなく、先人の残したものです。
(現役でがんばっている方もいっぱいおられます)
私はただご紹介しているだけですので、お恥ずかしいかぎりです。
by dumbo (2015-05-14 23:20) 

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