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アピ≒ピロ≒バベ≒タイ≒・・・○×△ [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

今日は、赤血球を標的とするアピコンプレックス(原虫の一門)のうちのピロプラズマさんたちの仲間のお話です。

ピロプラズマの仲間は、バベシア(Babesia) とタイレリア(Theileria)の2属が有名です。
あと、もう1属くらいいたような気がしますが・・・ 何でしたっけ?

さて、下は犬の血液に寄生した、バベシアさんです。
バベシア01.jpg
トロポゾイト(trophozoites)が赤血球に入っています。
わかりづらいので、矢印を付けておきました。
J Vet Diagn Invest 16:229–233 (2004)が詳しいでしょうか。

犬に寄生するお仲間は日本では、
Babesia canis(2-4×4-7μm)、Babesia gibsoni(1.1-2×1.2-4μm)がおもなので、
写真はBabesia gibsoniでしょうか。
宮崎大学農学部研究報告, 52(1/2): 11-20,2006に日本でのお話がありました。

バベシアの生活を、寄生される側から図示すると下のような感じですね。
バベシア00.jpg
Vet Res. 2009 Mar-Apr;40(2):37によると、バベシアさんは、
哺乳動物内では生殖細胞を生成しないとのことです。
なので、今までご紹介した寄生虫とは違って、ダニに対しての寄生生物なんですね。

しかも、Babesia canis、Babesia gibsoniはひょっとするとその有性生殖すら、
しないかもしれないらしいのでなんて変わっているのでしょうか。
うーん、全てクローンってことなのでしょう、遺伝的形質の違いも他の種に比べて少ないようですし・・・
(そのため、たぶん上図のザイゴートは無いのでしょう? しかし、キネートは見つかっているようです)


それでもって、バベシアさんからの立場で図示すると下のようになりますか。
バベシア.png
Maltese cross formsは犬のバベシアにはないみたいですね。(B. microtiはあるそうです)
J Vet Diagn Invest 16:229–233 (2004).が詳しいでしょうか。

今日もこのくらいで、
そうそう、バベシアさんはダニのなかで経卵巣伝播(transovarial transmission)しますが、
タイレリアさんは経卵巣伝搬は出来ずに経発育期伝播(transstadial transmission)しかできません。
(卵巣を通り、卵の中へと寄生するかしないかということです)

また、タイレリアさんは赤血球に寄生する前にリンパ球や、マクロファージに寄生しますが、
バベシアさんはしないそうです。(B. microtiはリンパ球、Mφに寄生するようです)

しかし、名前がほんと変わりますよねぇ、いったいどの形が成虫なのやら。
あっ、ガメトサイトでしたか???

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