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テレピン油、リモネン、メントール、そしてボツリオコッセン? [緑藻]

ピレノイドは、デンプンの合成に関わっていましたが、今日は油についてです。

植物の産生する油(炭化水素)の中では、
イソプレン:CH2=C(CH3)CH=CH2、からなるテルペン (terpene)とよばれる多種の物質が知られています。
油絵の基材であるテレピン油(松の油)、みかんなどのリモネン、ハッカ油のメントール・・・
などあげればきりがないほど存在しています。

前出の、ボツリオコッカスさんが産生するボツリオコッセン(Botryococcene)という油もまた、
テルペン(トリテルペン)の一種なのですね。
Microviol.Cult.Coll.26(1):1-10.2010.によります。

さて、この合成経路は、
動物たちのコレステロールを合成するメバロン酸(MVA)経路であると考えられていたのですが、
現在では植物独自?の非メバロン酸(MEP)経路であるということがわかっています。
Nat. Prod. Rep., 1999,16, 565-574.によります。

細胞質で合成されるメバロン酸(MVA)経路と、葉緑体で合成される非メバロン酸(MEP)経路の、
二つの経路はわかってきたのですが、
残念ながらなぜ油を溜め込むのか?といった疑問についての答えはまだ解明されていないようです。

うーん、やっぱり不思議がいっぱいですね。

追加、
光が増加すると、MEP経路が活発化し、MVA経路が抑制されるといったことなど、
外的要因がそれらの調節に関わっているとの話がありました。
(ストレスとかが関係するのでしょうか?不確かではありますが・・・)
また、その2つの経路には交流する部分があるようです。
Mol Plant. 2012 Mar;5(2):318-33. doi: 10.1093/mp/sss015.からによります。

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