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籠に入った太陽虫 アラメタイヨウチュウ Hedriocystis [肉質虫]

ヘドリオキスティス.jpg
アラメタイヨウチュウ(Hedriocystis)です。
今度は、網目状の殻をかぶった太陽虫です。

12面体なのでしょうか、さぞかし走査型電子顕微鏡で見たら綺麗なのでしょうね。
放散虫も綺麗ですので想像をかき立てられます。

海栗、川栗、沼栗、いいえアメーバです アクティノフィリス Actinophrys sol [肉質虫]

アクチノフリス.jpg
太陽虫(sun animalcule)のアクティノフィリス(Actinophrys sol)です。
ウニのような棘は、仮足(Pseudopodium)の一種である軸足(Axopod)と呼ばれる足です。
単細胞生物なので、ウニのように食べられる卵巣もありません。
Acta Protozool. (2001) 40: 3 - 25に詳しい分類があります。

さて、軸足には微小管(microtubules)と呼ばれる心棒があり、その心棒は中心にある核の表面まで到達しています。
どこまで到達しているか、またその構造の違いで種類がわかれています。
電子顕微鏡による解析で、アクティノフィリスの微小管束は2重噛合いコイル構造をしているとのことです。

Acta Protozoologica (1993) 32: 211 - 227によると、
太陽虫(Heliozoa)の微小管構造は、
2重噛合いコイル(Two interlocking coils)、正三角形(Equilateral triangle)、中心六角形パターン(Centric hexagonal patterns)、六角床パターン(Hexagonal flooring patterns)、五点形(A quincunx architecture)の5種類に分類されるそうです。(日本語名称は適当につけましたので正式名称ではありません)

一応表にしておきましょう。
太陽虫の軸足2.jpg

さらに微小管を構成している細繊維(上の表の丸が1個分)は13個のサブユニットからなる筒状をしています。
13個というのが気になったので調べてみると、
Current Biology Volume 22, Issue 12, 19 June 2012, Pages 1066–1074に、
生物界のサブユニット数は10~16個であるとのことですので、太陽虫の13サブユニットが特殊であることではなさそうです。

ナベですが取っ手はありません ナベカムリ Arcellina [肉質虫]

Arcella_gibbosa_.jpg
ナベカムリ(Arcellina gibbosa)です。
甘食の様な形の殻をかぶったアメーバです。取っ手はありませんが、中央の穴から足が出ます。

ナベカムリ.jpg
よっこらしょっと起き上がっている様子の写真です。甘食のような形と、アメーバ状の足が良く判ると思います。
上の写真と違った種類(Arcellina sp.)で殻がすべすべしているタイプです。

さて、Protist. 2012 May;163(3):389-99.などの遺伝子を解析した報告によると、
ナベカムリ目(Arcellinida)は大きくArcellina(ナベカムリ)、Difflugina(ツボカムリ)、Phryganellinaの3つに分類されていましたが、どうやらさらに細かく分類、再編される模様です。
Mol Biol Evol. 2011 Jan;28(1):223-36では、
Arcella hemisphaericaや、Arcella vulgarisという種の中ですら異なっているものが含まれるとの報告があります。
分類学ではよくあることですが、ナベカムリには同じ形に見えても全く異なった種である可能性が高いので、見た目による同定はまず無理と考えていいでしょう。

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