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赤いケンミジンコ エクトキクロプス Ectocyclops [ミジンコ]

久々に登場のケンミジンコさんで、新人さんです。

エクトキクロプス02.jpg
エクトキクロプス(Ectocyclops)さんです。
実際に見ると赤い色をしているのですが、暗視野では解りづらいでしょうか?

エクトキクロプス01.jpg
特徴のある第5脚です。じかに毛が3本出ているのですね。
もはや足とは呼べません。

エクトキクロプス03.jpg
尾叉背面には小さい、とげとげが並んでいます。解りますか?

さて以前のケンミジンコさんの分類には載っていませんので、補完しておきましょうね。

ではこの辺で。

甲殻類の心臓と血管 [ミジンコ]

甲殻類(Crustacea)たちの心臓はどうなっているのか?気になりましたので調べてみました。

分類と、形態の特徴は下図になります。

若干古い報告からの引用ですので、違っているところもあると思います。

ケンミジンコさんには心臓がある方もおられるのでしょうか?

AMER. ZOOL., 39:199-214 (1999).からのお話でした。

ケンミジンコ? テルモキクロプス Thermocyclops [ミジンコ]

で、ケンミジンコさんはというと、どうやら心臓は無いようです。

結構違った種類ということのなので納得といったところなのでしょうか。
体の動きで血液(体液?)を循環させるようです。


なので、今日は新顔さんのご紹介でも。

テルモキクロプス(Thermocyclops)さんです。
テルモキクロプス.jpg
貯精嚢がアサガオケンミジンコに似ているのですが、
尾っぽの毛(caudal seta)が湾曲しているのが特徴ですね。
(ミジンコさんの右側の毛:剛毛が1本とれちゃてますね)

テルモキクロプス5.jpg
第5肢です。

ケンミジンコの分類はこちらです。

心臓、血管、血液??? [ミジンコ]

ミジンコさんには血管が無いのに、流れが整然としているのが気になりませんか?
で、調べてみました。

下図がミジンコの循環の模式図です。
ミジンコ循環.png
からくりは緑色の隔膜で、この膜が流れを制御しているようです。
(図示はしていませんが、縦にも脚に出入りする血液を区切る膜があるようです。)

橙色と赤色が動脈系で、青と黄色が静脈系のようなかんじなのでしょうか?

分子レベルの仕掛けとまではいきませんが、結構巧妙な構造をしているのですね。

The Journal of Experimental Biology 202, 3089–3099 (1999).と、
The Journal of Experimental Biology 207, 683-696 (2004).からのお話でした。

そうそう、心臓はというと、
ミジンコ心臓.png
こんな感じに切れ込み(心門:ostium)がある1心室(1心房?)で、蓋がぱかぱかとしているようです。
青色が流入で、赤が流出です。

(全体がしぼむのか、あるいは、中に何かあるのか探したのですが解らなかったので、想像も加味しています)

心臓.gif
心臓の切れ込みに血球が流れ込んでいますね。
(わかりやすく血球を赤く色付けしています)

では、また。

10/22追加)こちらに膜の写真をアップしました。よろしければどうぞ。

ミジンコの血球は1種類 [ミジンコ]

一般的な哺乳類の血液の中の白血球は、5種類程度あることは以前お話いたしましたが、
ミジンコさんではどうなっているのか気になったので調べてみました。

下記が節足動物の血液中にある細胞分類です。

無血球型 単血球型
Hemocyteless group Monohemocytic group
シオダマリミジンコ Tigriopus japonicus ブラインシュリンプ Artemia salina
オナガケンミジンコ Cyclops vicinus ホウネンエビ Branchinellites kugenumaensis
ウンモンフクロムシ Sacculina confragosa アジアカブトエビ Triops granarius
トゲカイエビ Leptestheria kawachieusis
ミジンコ Daphnia pulex
チョウ Argulus japonicus
ホソウミチョウ Argulus caecus
イカリムシ Lernaea cyprinacea
ウミボタル Vargula hilgendorfii
エボシガイ Lepas anatifera
アカフジツボ Megabalanus rosa

上は、血球が無い方や、1種の方ですね。
きのうご紹介した、ミジンコさんに流れていた細胞は、1種類ということのようです。


下は多種の方たちです。

多血球型
Polyhemocytic group
Group Ⅰ Group Ⅱ GroupⅢ Group Ⅳ Group Ⅴ
8種類の血球 4種類の血球 3種類の血球 2種類の 血球 好酸性大顆粒球
シャコ Oratosquilla oratoria アメリカンロブスター Homarus americanus ザリガニ Cambaroides japonicus オトヒメエビ Stenopus hispidus オオシロピンノ Pinnotheres sinensis
トゲシャコ Harpiosquilla harpax イセエビ Panulirus japonicus アメリカザリガニ Procambarus clarkia ヤマトヌマエビ Caridina japonica
フナムシ Ligia exotica ヤマトホンヤドカリ Pagurus japonicus モクズガニ Eriocheir japonicus ミナミヌマエビ Caridina denticulata
オカダンゴムシ Armadillidium vulgare イソガニ Hemigrapsus sanguineus スジエビ Palaemon paucidens
カギメリタヨコエビ Melita koreana ケフサイソガニ Hemigrapsus penicillatus アシナガスジエビ Palaemon ortmanni
クルマエビ Marsupenaeus japonicus ヒライソガニ Gaetice depressus ミナミテナガエビ Macrobrachium formosense
アカエビ Metapenaeopsis barbata アカテガニ Chiromantes haematocheir ヒラテテナガエビ Macrobrachium japonicum
サルエビ Trachysalambria curvirostris サワガニ Geothelphusa dehaani オニテナガエビ Macrobrachium rosenbergii
ニホンスナモグリ Callianassa japonica スナガニ Ocypode stimpsoni テナガエビ Macrobrachium nipponense
アナジャコ Upogebia major テッポウエビ Alpheus brevicristatus
キンセンガニ Matuta lunaris イソテッポウエビ Alpheus lobidens lobidens
マメコブシガニ Philyra pisum
イシガニ Charybdis japonica
フタホシイシガニ Charybdis bimaculata
ガザミ Portunus trituberculatus
タイワンガザミ Portunus pelagicus
ノコギリガザミ Scylla serrata
オウギガニ Leptodius exaratus

8種ってすごくありません?けっこうバリエーションがあるようです。

Journal of National Fisheries University 63 ⑴ 33-48(2014).からです。


さて、ミジンコさんは、赤血球は持っていません。
直接、血液中にヘモグロビンが流れているそうです。

それにしてはミジンコさんは赤くないですよね。
ほとんどが透明に近いのですが、酸素の濃度が低くなると、
ヘモグロビンの濃度が高くなり、赤くなるのだそうです。

面白いですよね、いろいろと。

比較生理生化学. Vol. 11 (1994) No. 4 P 311-317.からのお話でした。

心臓、血管、血液? [ミジンコ]

今日はちょっと細かくミジンコさんを観察しましょう。

オカメミジンコさんにも心臓があるのですが、すごく小さいものです。
心臓.gif
こんな感じに動いています。
ぱかぱかと閉じたり開いたり、切れ込みが特徴ですね。
(写真の下が頭の方向です)

心臓はあるのですが血管はなく、体の隙間をさらさらと流れているのでした。
血液.gif
殻の下を流れていますね。
(同じところを流れているように見えますが、GIFの繰り返し画像なだけですので、血管ではありません。
引っかかっている血球もじきに流れていきます。)

血液2.gif
頭の中を移動する血球が見えるでしょうか?
こんな感じに血液(体液?)が体中をめぐっているのですね。

主はここに [ミジンコ]

すみません、撮影にかまけて、ブログを忘れていました。

ウッセミ②.jpg
前は殻だけでしたが、ちょうど脱皮するところの写真が撮れました。

ぶれぶれですが・・・ね。

ちなみに、アサガオケンミジンコ(Mesocyclops)のオスでしょうか?。

では、よい一日を。
あ、もう夜でしたね。

では、よい夢を。

ボディビルダー オオケンミジンコ Macrocyclops [ミジンコ]

オオケンミジンコ(Macrocyclops)さんのオスです。
オオケンミジンコ_オス.jpg
腰のくびれ方が、マッチョな印象ですね。逆三角形って言うのでしょうか。
バーベルとか持たせるとすごそうです。

残念なのが、触角が動いてしまったのでぶれてしまいました、すみません。

前ご紹介した方はメスなのでしょうか?
顕微鏡のお話のついでみたいでしたので、今回はメインでご登場です。

オオケンミジンコ_オス1.jpg
特徴的な、第5脚ですね。

分類は、こちらをどうぞ。

男の子?です アサガオケンミジンコ Mesocyclops [ミジンコ]

アサガオケンミジンコ(Mesocyclops)のオスでしょうか。
アサガオケンミジンコ_オス.jpg
最近気づいたのですが、普段は触角を曲げていないみたいです、
メスを抱える時だけに、触角が曲がるのでしょうか??? うーんどうなのでしょう。
この子は見事に、曲げていたのでした。

ほとんど曲げている方は見かけないのですが・・・珍しいこともあるものです。

ちなみにメスはこんな感じです。
アサガオケンミジンコ_メス.jpg

しかし、ケンミジンコって格好いいですよね?(私だけですか?)

なんかいいことあるのかなぁ♪、では、よい一日を♪

底にも、あそこにも ソコミジンコ Harpacticoida [ミジンコ]

ソコミジンコ(Harpacticoida)さんです。
ソコミジンコ2.jpg
水の底にひそんでいるミジンコさんで、細身ですね。
砂や、泥も一緒にすくうと見つかって、意外とおっとりしています。

ソコミジンコ.jpg
明視野では、こんな感じです。

ソコミジンコの代表的な形は下です。5脚がちゃんとしているのですね。

Harpacticus-nipponicus.png


体の外観による分類は、

ほっそりし、わずかに中央が凹んだ体 メスは7分割された第1触角;オスは第2内肢を形成しない = Harpacticella メスの第5外肢は細長い(縦が横の約2.5倍)、5本剛毛;海産 = Harpacticella oceania    
    メスの第5外肢は四角形(縦が横の約1.4倍)、7本剛毛;汽水 = H.itoi    
  メスは8、9分割された第1触角;オスは第2内肢を形成 外触角は2分割;オスは第3外肢が肥大 = Harpacticus メスは第2外肢に1本剛毛を持つ2本の足 メスは第3外肢に5本剛毛を持つ2本の足 = H.nipponicus
        メスは第3外肢に3本剛毛を持つ2本の足 = H.compsonyx
      メスは第2外肢に2本剛毛を持つ2本の足 = Harpacticus uniremis  
    外触角は3分割;オスは第3外肢が肥大しない = Tigriopus japonicus    
広く、強く中央が凹んだ体 = Zaus 第2外肢に内側に剛毛を持つ足 = Zaus unisetosus    
  第2外肢に内側に2本の剛毛を持つ足 = Z.robustus    

Korean J. Syst. Zool. 9(2), December 1,1993. 203-220.に上のようなものがありました。

何所に当てはまるのかなかなか難しいですね。
うーん。

一般的なケンミジンコの体はこちらをご覧下さい。
では、よい一日を。

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