翅はどこから?、昆虫の翅 [昆虫]
空を飛ぶ生物はおそらく4種類だ、だった、ということでしょう。
鳥やコウモリは、手(腕)が進化(変形)してはねができたことを疑う必要はありませんね。
今は絶滅してしまいましたが、翼竜もそうですね。
そして残るは昆虫で、翅はどう進化したのでしょう?
(トビウオなんかも飛ぶってことなのでしょうか?)
昆虫の翅の起源は、「側背板起源説」vs「付属肢器官起源説」とに分かれるそうです。
前者の考えは、背中の甲羅から翅がにょきにょきと生えるというものです。
後者は何らかの器官、たとえば鰓、肢の突起などからにょきにょきです。
六脚亜門昆虫綱で系統樹をさかのぼると、シミさんという方が翅がないものとして境目となります。
対して翅がある方はカゲロウさんですね。
カゲロウさんの幼虫は、こちらで少しふれましたが、
チョロ虫(カゲロウの幼虫)さんは、胴体脇から鰓が生えています。
昆虫の翅も血管が多数存在しますので翅の起源として鰓がまず最初に挙げられるのは当然ですね。
ですが、鰓が進化して翅になったのではないらしいのでした。
(もともと陸上で生活するように素晴らしい気管という器官を発達させた昆虫が、
水の中でもすごせるように進化したということの表れということのようです)
では、どこから???
昆虫の翅の遺伝子を研究した報告によると、肢にある突起と、背脇の甲羅の両方が合体し、
翅を作ったという説があります。
Evolution & Development Volume 12, Issue 2, pages 168–176, March/April 2010.という報告に、
シミさんのお仲間のイシノミさん(ノミ:蚤は昆虫ですので、全く異なる方です)の脚の一番胴体側に、
腹刺(根棒状の突起)があるのですが、
その突起で翅を形成する遺伝子が発現しました。=付属肢器官起源説ですね。
そして、翅を形成する遺伝子の一つが、
カゲロウの甲羅の端でも発現することが明らかになったのです。=側背板起源説ですね。
そんなこんなで、両方の合体が翅ということのようです?
こんな感じですかね。
イシノミさんてケンミジンコによくにているんですよね。よく跳ねるし。
そうそう、カゲロウの鰓の発生でも腹刺を作る遺伝子と同じものが発現しています。
なので、腹刺は気管鰓の起源でもあるようです。
追加)後から気がついたのですが、ケンミジンコさんの脚って2本に分かれてますよね。
ひょっとして外側は翅の元なのかもしれませんね○×△?
鳥やコウモリは、手(腕)が進化(変形)してはねができたことを疑う必要はありませんね。
今は絶滅してしまいましたが、翼竜もそうですね。
そして残るは昆虫で、翅はどう進化したのでしょう?
(トビウオなんかも飛ぶってことなのでしょうか?)
昆虫の翅の起源は、「側背板起源説」vs「付属肢器官起源説」とに分かれるそうです。
前者の考えは、背中の甲羅から翅がにょきにょきと生えるというものです。
後者は何らかの器官、たとえば鰓、肢の突起などからにょきにょきです。
六脚亜門昆虫綱で系統樹をさかのぼると、シミさんという方が翅がないものとして境目となります。
対して翅がある方はカゲロウさんですね。
カゲロウさんの幼虫は、こちらで少しふれましたが、
チョロ虫(カゲロウの幼虫)さんは、胴体脇から鰓が生えています。
昆虫の翅も血管が多数存在しますので翅の起源として鰓がまず最初に挙げられるのは当然ですね。
ですが、鰓が進化して翅になったのではないらしいのでした。
(もともと陸上で生活するように素晴らしい気管という器官を発達させた昆虫が、
水の中でもすごせるように進化したということの表れということのようです)
では、どこから???
昆虫の翅の遺伝子を研究した報告によると、肢にある突起と、背脇の甲羅の両方が合体し、
翅を作ったという説があります。
Evolution & Development Volume 12, Issue 2, pages 168–176, March/April 2010.という報告に、
シミさんのお仲間のイシノミさん(ノミ:蚤は昆虫ですので、全く異なる方です)の脚の一番胴体側に、
腹刺(根棒状の突起)があるのですが、
その突起で翅を形成する遺伝子が発現しました。=付属肢器官起源説ですね。
そして、翅を形成する遺伝子の一つが、
カゲロウの甲羅の端でも発現することが明らかになったのです。=側背板起源説ですね。
そんなこんなで、両方の合体が翅ということのようです?
こんな感じですかね。
イシノミさんてケンミジンコによくにているんですよね。よく跳ねるし。
そうそう、カゲロウの鰓の発生でも腹刺を作る遺伝子と同じものが発現しています。
なので、腹刺は気管鰓の起源でもあるようです。
追加)後から気がついたのですが、ケンミジンコさんの脚って2本に分かれてますよね。
ひょっとして外側は翅の元なのかもしれませんね○×△?
飛びます、飛びまーす [昆虫]
さて昆虫の翅ですが、空を飛ぶためのものというのは自明ですよね。
飛行機は、前進することよりつばさに風をあて、
翼の断面形状により上下の風の速度差を生じさせ揚力を作り出しています。
ヘリコプターは、翼の回転=つばさの前進ですね。
鳥はというと、つばさの先端の風切り羽によって前進する力を得ています。
風切り羽は翼の先端なので、あまり激しく動かさなくても飛べるのです。
その翼の断面形状は飛行機に似ていますね。(飛行機が真似た?)
対してカブトムシなどは、前の翅は飛行機みたいですが、
トンボは?というと平面の様な???
ですが、
実際には断面形状がジグザグになっていて、平均すると飛行機の様な形になるのだそうです。
下は、Experimental Mechanics November 2010, Volume 50, Issue 9, pp 1323-1334.からの図です。
右が前側で、少し湾曲してますよね。対して後ろの翅はほぼ直線ですね。
加えて、昆虫みたいな小さな翅では、
飛行機の様な形状より、ジグザグになっていた方が効率もいいのだそうです。
でもバタバタしても進みませんよね、どうなっているのでしょう?
そこで wake captureとかwing–wake interactionと呼ばれる原理?で力を得ているという報告があります。
図示すると下の様な感じで(参考のまんまですが)、
濃い青が渦で、緑色が生じた風です。水色は推力(揚力)ですね。
要するに、翅をバタバタさせて渦を生じさせ、その渦が巻き起こす風を利用しているとのことです。
大きな翼では渦は揚力を生じさせるほど大きくならないので、
小さな昆虫ならではの飛行方法なのです、素晴らしい。
The Journal of Experimental Biology 206, 4191-4208.からのお話でした。
追加)『平成24年神奈川県ものづくり技術交流会 トンボ翅脈状の微細突起物の空力特性』によると、
昨日お話した、翅の血管部分にとげとげがあると、渦のでき方が大きく長いと解説されていました。
飛行機は、前進することよりつばさに風をあて、
翼の断面形状により上下の風の速度差を生じさせ揚力を作り出しています。
ヘリコプターは、翼の回転=つばさの前進ですね。
鳥はというと、つばさの先端の風切り羽によって前進する力を得ています。
風切り羽は翼の先端なので、あまり激しく動かさなくても飛べるのです。
その翼の断面形状は飛行機に似ていますね。(飛行機が真似た?)
対してカブトムシなどは、前の翅は飛行機みたいですが、
トンボは?というと平面の様な???
ですが、
実際には断面形状がジグザグになっていて、平均すると飛行機の様な形になるのだそうです。
下は、Experimental Mechanics November 2010, Volume 50, Issue 9, pp 1323-1334.からの図です。
右が前側で、少し湾曲してますよね。対して後ろの翅はほぼ直線ですね。
加えて、昆虫みたいな小さな翅では、
飛行機の様な形状より、ジグザグになっていた方が効率もいいのだそうです。
でもバタバタしても進みませんよね、どうなっているのでしょう?
そこで wake captureとかwing–wake interactionと呼ばれる原理?で力を得ているという報告があります。
図示すると下の様な感じで(参考のまんまですが)、
濃い青が渦で、緑色が生じた風です。水色は推力(揚力)ですね。
要するに、翅をバタバタさせて渦を生じさせ、その渦が巻き起こす風を利用しているとのことです。
大きな翼では渦は揚力を生じさせるほど大きくならないので、
小さな昆虫ならではの飛行方法なのです、素晴らしい。
The Journal of Experimental Biology 206, 4191-4208.からのお話でした。
追加)『平成24年神奈川県ものづくり技術交流会 トンボ翅脈状の微細突起物の空力特性』によると、
昨日お話した、翅の血管部分にとげとげがあると、渦のでき方が大きく長いと解説されていました。
翅脈、wing veins [昆虫]
きょうは、翅の続きです。
翅の血管を、図示しますと、
と、まあこんな感じに名称がついているようです。
報告によっては、名称が違っていたり、くっついていたり(Cu+Pみたいに)様々で、
トンボ以外の昆虫の翅との対比もあるでしょうし、
大体、上みたいな感じでいいと思っていますがどうでしょう?
で、この血管の表面には小さなとげとげがついていて、
空気の抵抗を増やす?減らす?といった作用があることが知られています。
実際は、もうちょっと小さいとげですね。
Journal of the Kansas Entomological Society
Vol. 44, No. 4 (Oct., 1971), pp. 421-433.
Vol. 45, No. 1 (Jan., 1972), pp. 54-58.
Vol. 45, No. 2 (Apr., 1972), pp. 145-162.
Vol. 45, No. 3 (Jul., 1972), pp. 295-308.からのお話でした。
追加)個人でSEMを所有しておられる方のホームページがありました。
こちらにとんぼの翅の走査電子顕微鏡の像があります。
よろしければどうぞ。
(気軽に立ち寄ってください。とございましたのでリンクしておきます)
翅の血管を、図示しますと、
と、まあこんな感じに名称がついているようです。
報告によっては、名称が違っていたり、くっついていたり(Cu+Pみたいに)様々で、
トンボ以外の昆虫の翅との対比もあるでしょうし、
大体、上みたいな感じでいいと思っていますがどうでしょう?
で、この血管の表面には小さなとげとげがついていて、
空気の抵抗を増やす?減らす?といった作用があることが知られています。
実際は、もうちょっと小さいとげですね。
Journal of the Kansas Entomological Society
Vol. 44, No. 4 (Oct., 1971), pp. 421-433.
Vol. 45, No. 1 (Jan., 1972), pp. 54-58.
Vol. 45, No. 2 (Apr., 1972), pp. 145-162.
Vol. 45, No. 3 (Jul., 1972), pp. 295-308.からのお話でした。
追加)個人でSEMを所有しておられる方のホームページがありました。
こちらにとんぼの翅の走査電子顕微鏡の像があります。
よろしければどうぞ。
(気軽に立ち寄ってください。とございましたのでリンクしておきます)
タグ:翅脈 wing veins
翅ポンプ [昆虫]
昨日の続きで、翅の伸び方を詳しく見てみましょう。
翅の部分の血液(体液)の流れです。前の縁から、後ろへと流れるのですね。
付け根にある、翅ポンプ(wing pump)ですね。
いわゆる羽根ポンプとは違って、ダイアフラムポンプとなっています。
弁があって翅からの液体を背部の血管へと送っているのでした。
面白いことに押し出しではなく、吸い出しなのです。
なので、脱皮の時に翅を伸展させる原動力は、胸部の筋肉ということなのでしょうね?
(このポンプは、かけた圧力を逃がさないといった作用があるのでしょう)
zoology 98(1994),7-22.と、
zoology 98(1994/95),146-164.と、
Annu. Rev. Entomol. 2000. 45:495–518.からのお話でした。
翅の部分の血液(体液)の流れです。前の縁から、後ろへと流れるのですね。
付け根にある、翅ポンプ(wing pump)ですね。
いわゆる羽根ポンプとは違って、ダイアフラムポンプとなっています。
弁があって翅からの液体を背部の血管へと送っているのでした。
面白いことに押し出しではなく、吸い出しなのです。
なので、脱皮の時に翅を伸展させる原動力は、胸部の筋肉ということなのでしょうね?
(このポンプは、かけた圧力を逃がさないといった作用があるのでしょう)
zoology 98(1994),7-22.と、
zoology 98(1994/95),146-164.と、
Annu. Rev. Entomol. 2000. 45:495–518.からのお話でした。
トンボの翅は風船? [昆虫]
昆虫の呼吸、気管、気門 [昆虫]
昆虫の心臓を見てきましたが、昆虫では直接空気を体の隅々まで運んでいることはご存じだと思います。
きょうは気管と呼ばれる構造を見てみましょう。
黒っぽいく見えるギザギザの線?管?が背部気管(Dorsal trachea)と呼ばれる器官です。(シャレ?○×△)
普通、昆虫では、
気門輪(peritreme) →気門(spiracle) →気管(trachea) →気管主幹(tracheal trunk)へと空気が進みます。
(主幹は1本かな?)
そのあとは、また細い気管へと進みさまざまな組織へと運ばれます。
水中にいるヤゴさんは気門から空気を吸い込めませんので、気管えら:鰓があります。
酸素を交換する部位を気管鰓(tracheal gill)と呼び、
ヤゴでは腸の膨大部(branchial chamber)に分布しています。
(こちらに素晴らしい写真がありました。リンクはなくなるかもしれませんのでお早めにどうぞ。)
ちなみに、イトトンボさんのヤゴでは3本の尾にも分布しています。
なので、肺ではなく腸で呼吸をしているのですね。
水を肛門から取り入れ、肛門弁(anal valve)を閉じ腸を膨らませるそうです。
これはジェット推進よろしく、移動にも使用されるので有名ですね。(弁を開いて水を出します)
(『ソロモンの指環』という本で少しだけ触れられています。ご存知?)
J Exp Biol. 1966 Apr;44(2):317-33. と、
J Exp Biol. 1972 Apr;56(2):537-43.と、
J. Agric. Sci. Technol. (2007) Vol. 9: 119-127 .からのお話でした。
追加)気管の末端部分のお話です。ショウジョウバエについてですが。
気管の末端のパイプは気管細胞内を通り目的の組織に届くそうです。
太さはなんと、0.1μmかそれ以下とのことです。
こんな感じで、管の長さは、0.1mmかそれ以上らしいです。
空気ってどうやって通って行くのでしょうかね???
Development. 1996 May;122(5):1395-407.からでした。
追加の追加)気管の中が水で満たされていてどうやって空気と入れ替えるかですが、
Biol Rev Camb Philos Soc. 2013 Feb;88(1):1-14.によると、
気管腔内を酸性化し、CO2を気化させて、気体と入れ替えるのでは?と言及されています。
うーんやっぱり、不思議でいっぱいですね。
きょうは気管と呼ばれる構造を見てみましょう。
黒っぽいく見えるギザギザの線?管?が背部気管(Dorsal trachea)と呼ばれる器官です。(シャレ?○×△)
普通、昆虫では、
気門輪(peritreme) →気門(spiracle) →気管(trachea) →気管主幹(tracheal trunk)へと空気が進みます。
(主幹は1本かな?)
そのあとは、また細い気管へと進みさまざまな組織へと運ばれます。
水中にいるヤゴさんは気門から空気を吸い込めませんので、気管えら:鰓があります。
酸素を交換する部位を気管鰓(tracheal gill)と呼び、
ヤゴでは腸の膨大部(branchial chamber)に分布しています。
(こちらに素晴らしい写真がありました。リンクはなくなるかもしれませんのでお早めにどうぞ。)
ちなみに、イトトンボさんのヤゴでは3本の尾にも分布しています。
なので、肺ではなく腸で呼吸をしているのですね。
水を肛門から取り入れ、肛門弁(anal valve)を閉じ腸を膨らませるそうです。
これはジェット推進よろしく、移動にも使用されるので有名ですね。(弁を開いて水を出します)
(『ソロモンの指環』という本で少しだけ触れられています。ご存知?)
J Exp Biol. 1966 Apr;44(2):317-33. と、
J Exp Biol. 1972 Apr;56(2):537-43.と、
J. Agric. Sci. Technol. (2007) Vol. 9: 119-127 .からのお話でした。
追加)気管の末端部分のお話です。ショウジョウバエについてですが。
気管の末端のパイプは気管細胞内を通り目的の組織に届くそうです。
太さはなんと、0.1μmかそれ以下とのことです。
こんな感じで、管の長さは、0.1mmかそれ以上らしいです。
空気ってどうやって通って行くのでしょうかね???
Development. 1996 May;122(5):1395-407.からでした。
追加の追加)気管の中が水で満たされていてどうやって空気と入れ替えるかですが、
Biol Rev Camb Philos Soc. 2013 Feb;88(1):1-14.によると、
気管腔内を酸性化し、CO2を気化させて、気体と入れ替えるのでは?と言及されています。
うーんやっぱり、不思議でいっぱいですね。
昆虫の血管、隔膜 [昆虫]
さて、もう少し昆虫の血管?について詳しく見ておきましょう。
ミジンコさんの所でも膜がうまいこと血液の流れを制御していましたが、昆虫にもそれが当てはまります。
以下はヤゴを描いていますが、必ずしもそうではなく「一般的な昆虫」でということにしておいてください。
系統によって複雑化しているのは言うまでもありませんね。
基本的な血液の流れは、尾から頭へと進みます。
な感じです。
で、心臓は背中に並んでいるのですが、部分部分で補機が搭載されています。
な感じですね。
頭の方には触覚に血液を送る膨大部があります。
胸部には羽の付け根に、ダイアフラムの様なポンプがそれぞれ備わっています。
尾部には尾の末端に血液を送る膨大部があります。
もっとも変わっているのが、肢に血液を送るポンプで、
肢を前後(上下?)に分断する膜(septum)を動かして機能します。
面白いことに肢の内部でスパイラルしているのです。
最後のキーワードは、 隔膜(diaphragm)、肢の隔膜(septum)です。
のように、ミジンコさんと同じく腹部と、背部にそれぞれ血液を分ける隔膜があるのでした。
うーん素晴らしい。
Microscopic Anatomy of Invertebrates Volume 11B: Insecta, pages 621-640.と、
Annu. Rev. Entomol. 2000. 45:495–518.からのお話でした。
ミジンコさんの所でも膜がうまいこと血液の流れを制御していましたが、昆虫にもそれが当てはまります。
以下はヤゴを描いていますが、必ずしもそうではなく「一般的な昆虫」でということにしておいてください。
系統によって複雑化しているのは言うまでもありませんね。
基本的な血液の流れは、尾から頭へと進みます。
な感じです。
で、心臓は背中に並んでいるのですが、部分部分で補機が搭載されています。
な感じですね。
頭の方には触覚に血液を送る膨大部があります。
胸部には羽の付け根に、ダイアフラムの様なポンプがそれぞれ備わっています。
尾部には尾の末端に血液を送る膨大部があります。
もっとも変わっているのが、肢に血液を送るポンプで、
肢を前後(上下?)に分断する膜(septum)を動かして機能します。
面白いことに肢の内部でスパイラルしているのです。
最後のキーワードは、 隔膜(diaphragm)、肢の隔膜(septum)です。
のように、ミジンコさんと同じく腹部と、背部にそれぞれ血液を分ける隔膜があるのでした。
うーん素晴らしい。
Microscopic Anatomy of Invertebrates Volume 11B: Insecta, pages 621-640.と、
Annu. Rev. Entomol. 2000. 45:495–518.からのお話でした。
昆虫の呼吸たんぱく、ヘモグロビン?、ヘモシアニン? [昆虫]
残念ですが、昆虫にはいわゆる赤血球はありません。
ですが、細胞内、あるいは外にヘモグロビンがある場合があります。
どうやって酸素を取り込むのかというと。
一般的には、ヘモシアニン:hemocyanin (Hc)と呼ばれる、
銅を主体とした酸素運搬物資を利用するといわれてますね。
では、ヘモグロビン:Hemoglobin (Hb) はないのでしょうか?というとそうでもなく、
ヘモグロビン(鉄を主体)を持っている方もおられます。
有名な方は、ユスリカの幼虫で赤虫ですね。
その名のとおり、赤いボウフラで釣りの餌でどこの釣具屋さんでも売られていますね。
この方のヘモグロビンは1種でないことが知られていて、最大で15種からなるそうです。
生物工学 2013年 第91巻 722~775によります。
なので、どちらかなのかは種類によるということが正解のようです。
実際はどうなのかというと、
Collembola:トビムシ目→ Holometabola:ホロメタボラ(完全変態類)へと、
系統樹が上がっていくに従って、
ヘモシアニン→ヘモグロビンへと変わっていくようです。
(ヘモシアニンが不変態と不完全変態の昆虫でのみ存在し、
ヘモシアニンはトンボ、カゲロウ、およびEumetabola(半翅目+ Holometabola)で失われます。
ウマバエや、ユスリカなどは低酸素で存在するため例外とされています。
あくまで例で、いろいろな様ですが・・・)
Journal of Insect Physiology 53 (2007) 285–294.
Integr Comp Biol. 2015 Jun 29. pii: icv079.
によります。
昆虫もいろいろですねぇ~
ですが、細胞内、あるいは外にヘモグロビンがある場合があります。
どうやって酸素を取り込むのかというと。
一般的には、ヘモシアニン:hemocyanin (Hc)と呼ばれる、
銅を主体とした酸素運搬物資を利用するといわれてますね。
では、ヘモグロビン:Hemoglobin (Hb) はないのでしょうか?というとそうでもなく、
ヘモグロビン(鉄を主体)を持っている方もおられます。
有名な方は、ユスリカの幼虫で赤虫ですね。
その名のとおり、赤いボウフラで釣りの餌でどこの釣具屋さんでも売られていますね。
この方のヘモグロビンは1種でないことが知られていて、最大で15種からなるそうです。
生物工学 2013年 第91巻 722~775によります。
なので、どちらかなのかは種類によるということが正解のようです。
実際はどうなのかというと、
Collembola:トビムシ目→ Holometabola:ホロメタボラ(完全変態類)へと、
系統樹が上がっていくに従って、
ヘモシアニン→ヘモグロビンへと変わっていくようです。
(ヘモシアニンが不変態と不完全変態の昆虫でのみ存在し、
ヘモシアニンはトンボ、カゲロウ、およびEumetabola(半翅目+ Holometabola)で失われます。
ウマバエや、ユスリカなどは低酸素で存在するため例外とされています。
あくまで例で、いろいろな様ですが・・・)
Journal of Insect Physiology 53 (2007) 285–294.
Integr Comp Biol. 2015 Jun 29. pii: icv079.
によります。
昆虫もいろいろですねぇ~
昆虫の血液 [昆虫]
さて、心臓の次は血液でしょうか。
ちなみに、ミジンコさんはこちらです。
まずは血球からで、Annu Rev Immunol. 2007;25:697-743.によると、
ショウジョウバエの血球は3種だそうです。
それぞれ、
ということだそうです。
これらは人で言うところの細胞性免疫ということになるのでしょうか。
さらに遺伝によって支配されるようですので、自然免疫ということです。
(予防接種などによる獲得免疫は昆虫には無いようです。)
また、報告によると、貪食(プラズマ細胞が食べるということ)したあとに、
脂肪体での抗菌ペプチドの産生を引き起こす体液性の免疫も起こるようです。
病原体を認識し排除する機構ですね、抗菌ペプチドはまさに抗生物質です。
こんな感じです。
ちなみにどの細胞が原始的?かというと、plasmatocytesということになるのでしょうか。
カイメン動物では体細胞が5種?からなる単純な構造ですが、
archeocytes(アーキオサイト=幹細胞)と呼ばれるものがマクロファージとして存在しているので、
血球の始まりはMφ:マクロファージなのでしょうね。
ちなみにこの細胞は全能性があるので、いわゆるES細胞的な機能もありますね。
このマクロファージの解説では、こちらが詳しいです。
いいお仕事ありがとうございます。
ちなみに、ミジンコさんはこちらです。
まずは血球からで、Annu Rev Immunol. 2007;25:697-743.によると、
ショウジョウバエの血球は3種だそうです。
それぞれ、
plasmatocytes:プラズマ細胞 | Phagocytosis:貪食、マクロファージ様 |
lamellocytes:ラメロ細胞 | Encapsulation:カプセル化 |
crystal cells:クリスタル細胞 | Melanization:メラニン化 |
ということだそうです。
これらは人で言うところの細胞性免疫ということになるのでしょうか。
さらに遺伝によって支配されるようですので、自然免疫ということです。
(予防接種などによる獲得免疫は昆虫には無いようです。)
また、報告によると、貪食(プラズマ細胞が食べるということ)したあとに、
脂肪体での抗菌ペプチドの産生を引き起こす体液性の免疫も起こるようです。
病原体を認識し排除する機構ですね、抗菌ペプチドはまさに抗生物質です。
こんな感じです。
ちなみにどの細胞が原始的?かというと、plasmatocytesということになるのでしょうか。
カイメン動物では体細胞が5種?からなる単純な構造ですが、
archeocytes(アーキオサイト=幹細胞)と呼ばれるものがマクロファージとして存在しているので、
血球の始まりはMφ:マクロファージなのでしょうね。
ちなみにこの細胞は全能性があるので、いわゆるES細胞的な機能もありますね。
このマクロファージの解説では、こちらが詳しいです。
いいお仕事ありがとうございます。