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トンボの分類 [昆虫]

池を見ていると、もうすでにトンボが飛んでいます。
さらに産卵まで・・・時間のたつのは早いですね。
トンボ0000.jpg
ちゃっぽりと水に浸かって、お母さんはたいへんです。

トンボ0001.jpg
場所を変えてまた産み付けていました。
トンボ0002.jpg
付けるというよりは、差し込むということのようです。


以前、ヤゴの分類をしましたので、
今日は、成虫の分類を簡単にしてみましょう。
トンボ分類.png
分類は頭の形と、翅にある、三角あるいは四角の部屋でおおまかに分類できるようです。

黄色と黒のしましまには、サナエトンボ科にもあるのですが、
左右の眼が接しているので、
産卵している上の写真のトンボさんは、ヤンマ科ということがすぐにわかりますね。

胸に黒いすじがありますので?以前ご登場いただいたクロスジギンヤンマさんでしょうか?
以前の方はオスですが、こちらはメスということのようです。

以前とは全然違う場所なのですが、結構見かけるみたいですね。

分類は、『小学館、学習百科図鑑2、昆虫の図鑑』がわかりやすいでしょうか?
webでは、前にもご紹介しましたが、神戸のトンボさんがわかりやすいのですが、こちらは現在改装中のようです。
大幅な更新ということですから、期待できそうですね。ワクワク
タグ:トンボ 分類

蚊、カ、Mosquito [昆虫]

P1140679__.jpg
ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)です。
この後、結構痒かったです。

こちらでもちょっと登場しました。


さて、蚊についてはいろいろなことがわかっていてお話が沢山になってしまうので、
トピック的なところを少しだけにしておきましょう。


こんな、小さなカですが、頭部はセンサーの塊みたいなところがあります。
炭酸ガス、臭い、温度、音ですね。
どれも血を吸うという行為に特化した素晴らしい?感覚器官達です。


温度センサーは、血を吸う針?口の部分の小さな毛(sensory hair)の付け根にあり、TRPA1という受容体がその元とのことです。
Parasit Vectors. 2011 Jan 27;4:10.からです。

このTRPA(transient receptor potential Ankyrin)は、TRPチャンネルの仲間?で、
一連のセンサータンパクの一種です。
生化学 第81巻 第11号,pp.962―983,2009、からです。

TRPのセンサー機能は温度,機械刺激,浸透圧,痛み,フェロモン,酸・塩基,酸化ストレスや刺激性化学物質などをつかさどり、
刺激によって、イオンを透過するという作用があるようです。

蚊では、血を吸うところの温度を感知して(要するにあったかいところ)チクリっとするわけですね。


では、遠くからどうやって血の主を探すかですが、
それには触覚にある、炭酸ガスや、臭いセンサーがかかわるようです。
Proceedings of the National Academy of Sciences 108(32):12987-95 · August 2011、からです。

炭酸ガスセンサーはそれほどでもないのですが、臭いセンサーは変わっていて、
脊椎動物で色々なレセプターとして有名なGタンパク(Gタンパク共役受容体(GPCR)等々)ではなく、
個別に進化したらしいです。
ORNs (olfactory receptor neurons)と呼ばれる受容体細胞上にあるのですが構成が違っているとのことです。

温度センサーはだいたい一緒なのに、なぜっ?て感じなのですが、そういうことのようです。

やはり生物って一筋なわにはいかないのです。

虱、シラミ、Dog Lice、Cat Lice、ライス? [昆虫]

ついでですので、シラミについてもお話しておきましょう。

シラミ.jpg
アタマジラミ(Pediculus capitis)ですね。

この方は動物(ペットなど)から感染するのではなく、完全に人から人らしいです。
(宿主選択性(host selection)が高いらしいです)
昆虫ですが、サナギはなさそうなので、不完全変態ということでしょうか。

たまごは、
シラミ卵.jpg
な感じに固い殻に覆われて、髪の毛についています。(写真は孵化後ですね)

退治法は色々なところで解説されていますので、いまさらですが、
成虫の殺虫と、卵の除去ですね。


ペットにもシラミはいるのですが、上の写真の方とは異なります。
ペットショップ等で駆虫されるので、あまり目にすることはなく、残念ですがお写真はありません。
(のらちゃんにはいるかもしれませんね)

イヌジラミ(Linognathus setosus)は良く似ているのですが、もうちょっとずんぐりしているでしょうか?、
そうそうイヌジラミには目がありません。

ネコハジラミ(Feticola subrostratus)は頭の形が大きく、白アリの兵隊さんみたいです。
いぬにも、イヌハジラミ(Trichodectes canis)がいます。

家屋審虫 29(1): 69 〜80,2007 年 6 月、に見わけ方がありました。


シラミといえば結構、ハトにいるのです。
野生のハトを見かけるとどっさりついていることがあるのでびっくりしますね。
もちろん人にはうつらないでしょうが・・・

ですが、今までのお話からすると絶対とは言い切れません???

ということで、
衞生動物 31(2), 135, 1980-06-15、に Heterodoxus spiniger のヒト寄生例についての報告がありました。
これは、イヌハジラミでも珍しい種類で、たまたまかもしれないとのことです。


9/15追加)皮膚病診療 :31(8)'906~ 913,2000、に
ピレスロイド系のフェノトリン(スミスリン)抵抗性アタマジラミのお話がありました。
シラミも進化するということでしょうか?

ノミ、蚤、再び [昆虫]

お話をしていないようでしたので、補足です。

写真も新しくしておきましょう?
ネコノミ.jpg
全体像の写真です。

ネコノミ頭部.jpg
頭部の写真です。


ノミについて前にもご紹介しましたが、今日はどういう生活を送っているかについてです。

ノミの生活を、図示すると下のような感じですね。
ノミ00.jpg
昆虫ですから、卵→幼虫→サナギ→成虫となります。

ふだん目にするノミは、ネコノミ(Ctenocephalides felis)とイヌノミ(Ctenocephalides canis)がいるのですが、
ほとんどがネコノミです。
前にも書きましたが、人にもつくことがあるのでちょっと厄介者です。

ほとんどがネコなどの動物に寄生するのですが、卵や幼虫は周りの環境に潜伏しますので、
残念ですが、動物についている成虫を駆虫するだけではなかなかいなくなりません。
(成虫が生んだ卵が孵化しないようなお薬もありますが・・・)

家で飼われている方は、
部屋の掃除や、○ルサンなどの燻蒸剤(ゴキブリ用ではなく、ダニ・ノミ用でないといけません)で退治しないと、
いけませんね。
なかなかしつこいムシなのでした。

今日は、見ない方が・・・ クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa [昆虫]

またまた、横道にそれて、すみません。


コメントのお答えで、ゴキ・・・と回答して気になったので写真を見まわしてみました、


この方には、耳はあるのでしょうか?
ゴキブリ11.gif
普通は足の関節なので、探したのですが・・・


すごく気になったのが、触角の付け根ですが?
ゴキブリ02.gif
ジョンストン器官(Johnston's organ)があるのかと思ったら、いやぁすごい触角の付け根ですね。
どうやら可動膜と呼ばれる、膜のようです。


ゴキブリさんは感覚のほとんどを触角から感知しているそうだそうで、すごい触角です。
近づいてみるとさらにすごいですね。



耳についての報告ではありませんが、

ゴキブリの眼は暗闇でも光を感知するらしいです。
なんと、光子1個?でも感知できるとのことです。
(10秒の長時間露光とのことで、とてもゆっくり?とした画像かもしれませんが)
Cockroaches Accumulate Light to See in the Dark、Scientific American からです。
ゴキブリは眼が悪いってきいたことがあるのですが、そうではなさそうですね。


さらにすごいことに、目を再生するとのことです。
J. Embryol. exp. Morph. 76, 9-25 (1983)、からです。
ワモンゴキブリの幼虫についての報告ですが、何ともすごい生き物ですね。


8/31追加)
Journal of Experimental Biology 1994 193: 13-47;
によると、ゴキブリの耳は、前足の第2節?付け根あたりにある気門の中にあるそうです。
どおりで、表面からは見えないわけですね。
(小さい穴があいているだけということ)

 [昆虫]

きょうは、本のご紹介からです。

P1250090.JPG
「insiders/ビジュアル博物館 昆虫とクモ (図鑑)」です。

昆虫とクモについて一通りの事が学べる本で、振り仮名がふってあれば子供に奨めるのですが、
大人の絵本となっています。

入門書として載っている言葉から、たとえば、「昆虫、単眼」でググって頂くとさらに理解が深まりますでしょうか。


今日は以前トンボの眼でご紹介した昆虫の眼についてもう少し詳しくということです。

まずは数から行きましょうか?


前回ご紹介した、ミンミンさんです。
ミンミンゼミ01.jpg
昆虫にみんな言えることですが、個性的な顔ですよね。

さらに近寄ってみましょう、
ミンミンゼミ02.jpg
何やら三つの赤い点がありますね、これが単眼(ocellus)です。
一般的に複眼(compound eye)と言われるのは、写真左のもので、小さな眼が集まって大きな目として機能しています。


ここで疑問がひとつ・・・ なぜ3つなの???


どうやら原始的には4個で、三角の下部分の一つは2つであったらしいです(対:つい、ということ)。
なので、先祖帰り?としてまれに4個の単眼を持った昆虫が生まれるらしいです。
Kontyfi, 35 (2): 117−118,1967、によります。


さらに面白いことに、昆虫の幼虫では、側単眼(stemma)という眼を持っているのですね。
これは、成虫では複眼と機能しているものに近い働きがあるとのことです。
(まばらになった複眼?)
比較生理生化学 Vol.8, No.1 (1991) 13-21、からです。


ちなみに、クモは単眼でして、大きな眼は昆虫のものとは全く異なっているのでした。


ところで、ミジンコさん達はというと、ケンミジンコではノープリウス眼(nauplian eye)というものと、
普通のミジンコ?さんは、複眼(複眼compound eyesと、種により中央眼median eye≒ノープリウス眼)と、これまた違っているらしいですね。


簡単な分類でよければ、複眼(6個以上)>単眼(8~3個)>ノープリウス眼(3個以下)、と数が違いますが、
うーん、難しい。


みーん、みんみん ミンミンゼミ [昆虫]

ここ数カ月物作りの話題でしたので、ひさしぶりにいきもののお話です。



夏です、せみがないていますね。

セミの出現時期は地域で格差があるでしょうが、

ハルゼミ(5月)→ニイニイゼミ(7月)→アブラゼミ(8月)、ミンミンゼミ、クマゼミ→ヒグラシ(8月)→ツクツクボウシ(9月)
の様な感じでしょうか?
私の居るところでは、ほとんどハルゼミはきけませんが。(松の木がありませんから)

ヒグラシは地方によっては、6、7月らしいですね。
Nature of Kagoshima vol.40 Mar:2014 133-140、によります。(南国のお話です)


今年は、ミンミンゼミが大発生みたいで、今日もミーン、ミンミンです。
ミンミンゼミ.jpg
こんな感じです。

結構木の高い部分に止まっていることが多いのですが、手が届く範囲にいましたので、
子供と一緒に観察してみました。
ミンミンゼミ000.jpg
ちょっとずんぐりしていますが、綺麗なセミです。

ひっくり返すと、
ミンミンゼミ00.jpg
で、この方はメスでしょうかね。

撮影をした後は、元の木に戻して、ありがとうです。


でっ、

鳴き方と、声の生成は色々なところで解説されていますので、さらっと図示します。
セミの鳴きかた.gif
こんな感じに、他の昆虫では飛翔筋とされている筋肉を使用し、tymbal(発音膜?)を震わせて音を出します。
J. exp. Biol. 187, 45–55 (1994)からです。
日本語では、クマゼミについてですが、
大阪と科学教育 24, 1-12, 大阪府教育センター (2010)、に詳しい構造のお話がありました。

飛翔筋については、以前の記事と比較していただくといいかと思います。

この発音膜は幾重にも折りたたまれ?ひだひだに?なっていて、
それが音の増幅(+20dB程とのこと→10倍?)に一役かっているそうです。
共鳴は腹部の空洞によるものですね。
それにしても大きな音が出るものです、いつもながら生き物ってすごいと思わされます。


さて、セミが他の昆虫と異なっているのは、耳が良いのですね。
セミの鼓膜.gif
鼓膜(tympanum)の位置は上の緑の部分で、見ての通り非常に大きな膜なのです。
これはなんと音を出す筋肉(発音筋)の下にあって、さぞかしうるさいだろうと思うのですがどうなのでしょう?

聴神経の数も多いいそうです。

ところで、昆虫の耳は種類によって場所が違っているので面白いですね、
コオロギでは足に、ガやチョウ?では翅の付け根に、ガやカではさらに触角に・・・なわけで、いずれお話するかもしれません。


ところであの個性的な、「みーん、みんみん」という鳴き声はどうしてなのか?ですが、
Journal of Experimental Biology 2002 205: 1285-1292;に面白い実験の報告があって、

音程はもちろんですが、音の発生と消失、いわゆるリズムについて、非常に細かく判別できるとのことです。

セミはリズムを聞き分ける能力を身につけているということのようです。
やはり歌手、singerなのですね。

おん○はもてないということなのでしょう、か?○×△きっびっしいぃ!
タグ:セミ 昆虫

薄くても丈夫です。昆虫の翅 [昆虫]

昆虫の翅の報告をいろいろ眺めていたのですが、
面白いことが書かれているものがありました。

昆虫の翅はただ骨組みが組まれているのではなく交差する部分に補強がなされているそうです。

しかもその補強材が変わっていて、レジリン(resilin)という弾性を持ったタンパク質を使用しているそうです。
翅の弾性.png
レジリンはノミの跳躍をつかさどる弾性物質として知られています。

どうりで丈夫なわけですよね。
すごい翅です。

J Morphol. 2011 Dec;272(12):1409-21.からのお話でした。

生きてますよ、昆虫の羽ばたきです [昆虫]

お久しぶりです。
安心してください、生きてますよ、dumboです。

冗談はさておいて、GIF画像作成にはまってしまって、
独自ルーチンをなんて考えていたら・・・もうだいぶたってしまいました。

で、出来たのが下の図たちですね。


トンボさんの羽ばたきです。
羽ばたき2.gif
神経からの信号が1はばたきごとに翅を動かします。
同期筋肉系で、比較的ゆっくりな羽ばたきに対応します。


対して前回のお話は、ハエさんや、ハチさんで、非同期筋肉系でした。
羽ばたき1.gif
神経からの信号がくると一定回数羽ばたくのです。
したがって、どちらかというと半同期式とでもいうのでしょうか。

さて、非同期には、からくりがある方がいて、
羽ばたき.gif
胴の幅を変化させることによって、はばたく動作も可能になっている方もおられます。

セミカチのように外骨格の弾性力で翅をはばたかせるので、
小さな力で、大きな作動力を発揮できるようです。

そうそうセミと言えば、セミの鳴き方も斜めの筋肉を使ってますので、
発生(進化、発達?)的には同じものなのかもしれませんね?

では、また。
タグ:

ぶんぶんぶんハチが飛ぶ。昆虫の飛行 [昆虫]

ハチ21.jpg
ハチさんですね。蜜はどこかなぁーって。

あっちでもこっちでも、
ハチ22.jpg
蜜を集めています。

さて、今日は昆虫の飛び方についてです。
昆虫の翅の動きには、同期と非同期があって、
小さくなればなるほど非同期で、翅がある程度自動で羽ばたいているとのことです。

ここでいう非同期とは、神経→筋肉と刺激が1対1に対応しているのではないということで、
我々の心臓ほど完全に自動的ではなく、停止も可能なくらいには制御はされるようです。

さて、速いものでは1000Hzものスピードで羽ばたいているのですがどうやっているかですね。
回転数で表すと、6万rpmってことですね、すごい。


羽ばたきの原理は、縦横の飛翔筋(antagonist sets of muscles)が交互に収縮することによります。

縦横の筋肉は、それぞれ背縦走筋(DLMS:dorso-longitudinal muscles )、
背腹走筋(DVMs: dorso-ventral muscles)と呼ばれています。日本語名は?です。
羽ばたき.png
こんな感じですね。(実際の関節はもっと複雑な構造です)
縦横の収縮は位相が90°?ずれていて、周期は完全に一致しているそうです。

翅の付け根は複雑な関節となっていて、
外骨格をまるでペットボトルをペコペコ(セミカチってご存知?)とするように動かしながら羽ばたくのでしょうね?

で、ステアリングは、
羽ばたき2.png
と、tiny steering musclesによって、翅の角度を変化させて行っているようです。

微妙な翅の角度変化によって調節されているのです。
これまた、素晴らしい仕組みによって曲がっているのですね。

PLoS Biol. 2014 Mar 25;12(3):e1001822. と、
Curr Biol. 2006 May 9;16(9):R309-14.からのお話でした。
あっ、すみません、ハエでの報告でしたね、チャン、ちゃん。

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